舞岡、足柄 惜別の激闘 「誇りに思える試合」 神奈川高校野球 代替大会交流試合

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【足柄―舞岡】8回、舞岡の目次が勝ち越しの左前打を放つ=大和

 夏の甲子園と神奈川大会の中止を受け、県高野連が独自に開催する「県高校野球大会」第4日は4日、サーティーフォー保土ケ谷球場など5会場で2回戦と交流試合の計9試合が行われ、シード校の東海大相模や平塚学園などが勝ち上がった。

 鎌倉学園の右腕荒川和慧(3年)が鶴見打線を2安打13奪三振で完封。大会唯一の交流試合は舞岡が8─7で足柄に競り勝った。

 第5日は5日、同球場などで2回戦8試合が行われる。

◆舞岡8-7足柄

 短い夏を惜しむかのように、激しいせめぎ合いが続いた。勝っても負けてもこれが最後。舞岡─足柄の交流試合は最終盤まで一歩も引かない打撃戦となった。

 7─7の八回2死三塁。舞岡・目次の打球は快音とともにレフト前に運ばれた。「つらい練習を耐えてきた仲間と笑って終わりたかった」。高校最後の試合で決勝打。それは本来、全国王者にしか許されないものだ。

 ただ、そこに至るまでには葛藤があった。選択肢は三つ。トーナメントに参加するか、1試合のみの交流試合か、不参加か。8月開幕となったことで、進路などへの影響を考慮した県高野連の提示だが、両校とも揺れた。

 「自分はトーナメントをやりたかった」。殊勲の背番号9は明かす。昨夏は3回戦で横浜創学館に敗戦。「公立と私立の投手の差を思い知った。レベルが高いところで打てるようにと練習してきたから」

 ただ、8月には受験や就職活動を控える選手がいた。意見は割れた。最後に決断をしたのは両校とも選手とマネジャーを含めた3年生だった。

 「誰かが欠けてしまう可能性がある。それだけは絶対に避けたかった。最後は3年生全員で野球をしたかった」と足柄の主将長谷川。目次も「最初はもやもやした思いはあったけど、みんなで決めたこと。それがあったから、自分たちの野球を貫けた」という。

 試合は8─7で舞岡が勝った。だが、勝敗が全てではない。高校野球では少し長い2時間37分。両軍計27安打は一試合に懸けた思いの発露だろう。敗れた長谷川は涙を拭い、言った。

 「舞岡の3年生も自分たちと一緒に野球をやった仲間。最後にいいゲームをしてくれたことに感謝しかない。誇りに思える試合になった」