デスク日誌(8/5):手紙

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 昨年11月、仙台のYさんという女性の読者から手紙をいただいた。昨年7月に「ヤマユリ見頃」と筆者が出稿した記事の写真に、女性の親子3人が写っていたとのこと。

 撮影場所は宮城県大衡村の昭和万葉の森。自生するヤマユリの一大群生地がある。便箋3枚の手紙には、好きなヤマユリと写った喜びが書かれ「夫からのプレゼントだと感じた」とつづられていた。

 義父に続いて最愛の夫が旅立ち、気持ちの沈む日が続いていた折、朝刊で見た写真が活力を与えてくれたという。

 取材時は白い大輪をアップにして撮った。3人は後方に小さく写っている。一葉の写真でそんなふうに感じてもらい、うれしかった。本社を経由して手紙が届いたのは、大衡村や隣の大郷町など管内全域を襲った台風19号の取材で張り詰めていた頃。手紙は、当方にとっても活力になった。

 再びヤマユリの季節が巡ってきた先日。お礼が遅れたことをYさんにわび、手紙の紹介の可否を尋ねると快く認めてもらった。「記事の写真は、夫の写真と共に飾っています」。心に残る取材になった。 (富谷支局長 藤田和彦)