核廃絶や平和を願い 長崎被災協が記念誌発行 被爆2世、胎内被爆者らの証言も収録

完成した記念誌を手にする田中会長

 被爆75年の節目に合わせ、長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)は会員の被爆証言などをまとめた記念誌「平和を 被爆から75年を生きぬいて」(A5判、345ページ)を発行した。胎内被爆を含む被爆者、被爆2世ら約50人の証言などを収録し、核兵器廃絶や平和を願う思いを次世代に託している。
 長崎被災協として7冊目となる今回の記念誌には被爆体験や被爆者運動など、六つのテーマで掲載。被爆者の減少が進む中、被爆70年の前回記念誌と比べ、被爆2世、3世の寄稿が増えた。長崎被災協の歩みもまとめた。
 田中重光会長は、原爆投下から75年の世界の現状について「核弾頭数は減少しているというが、使いやすい小型化が進み、核兵器が使われる現実味が増している」と危惧。「だからこそ今、被爆の実相を伝えることに意義がある。多くの人に読んでもらいたい」と語った。
 長崎市の補助事業として千冊を発行。市内の小中学校、県内の大学、図書館などに寄贈する。1冊1500円(送料別)で販売もしている。問い合わせは長崎被災協(電095.844.0958)。

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