「世界風流行ス」 感染症伝える農民日誌展示 亘理・郷土資料館

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スペイン風邪などの感染症の記述がある日記を見る来館者

 宮城県亘理町郷土資料館は新型コロナウイルスに関連し、スペイン風邪やコレラなど感染症が流行した明治から昭和初期にかけての町の様子を記した農民の日誌を展示している。8月23日まで。

 逢隈村(現亘理町逢隈)の清野伝治〓が残した「近世早見年代記(清野日記)」は、1878~1933年の農作業や日々の話題を記録。当時の庶民の暮らしなどが分かる貴重な史料とされる。

 スペイン風邪については「世界風流行ス」の題で、1918(大正7)年の旧暦9月下旬~11月に大流行し、肺炎を起こして死亡すると記述。日本の第1波に合わせて亘理でも感染が広がったことが分かる。

 「虎列刺」と表記されたコレラは1882(明治15)年と95(同28)年に流行。死者が増え、地区を越えた移動を制限する番小屋や消毒所が設置されたと記載。「農営出来(でき)ズ困却」と仕事にも影響し、困惑した心情を伝える。遺体を火葬した人に給金が出たことや井戸の管理を厳重にしたことにも触れている。赤痢流行の記述もある。

 同館は、疫病よけ神として信仰される牛頭天王(ごずてんのう)についても説明。同神をまつる町内の神社2社を写真付きで紹介している。

 町教委生涯学習課の武田恵美文化財班長は「スペイン風邪は一般的には農村部では遅れて流行していたが、荒浜漁港での出入りがあって亘理では早かったのだろう。移動制限や消毒など感染症対策は今も昔もほぼ同じだと感じた」と語る。

 日誌は企画展「第23回収蔵資料展」の特別コーナーとして展示。同展では2017年度に収集した明治期の柱時計や尋常小学校の教科書など約100点を展示している。入館無料。月曜日と祝日は休館。

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