東武日光駅に初めて乗り入れ、新名称はSL大樹「ふたら」――10月営業運転開始

東武日光駅へ初めて乗り入れるC11 207

2020年8月5日、東武日光駅に「SL大樹」のC11 207が乗り入れました。試運転を除けば、日中に同駅へ入線したのは今回が初めて。

東武鉄道は2017年8月より「鉄道産業文化遺産の保存と活用」「日光・鬼怒川エリアの活性化」「東北復興支援の一助」を目的とし、東武鬼怒川線下今市駅~鬼怒川温泉駅間で「SL大樹」を運行しています。

一方で「SL大樹」が東武日光駅へ向かったことはなく、日光地区からはかねてよりSL乗り入れの要望が上がっていました。これを受け、同社は乗り入れのための準備を整え、2020年10月より東武日光駅を発着するSLの営業運転を月1回ほどの頻度で実施します。運転区間は東武日光線下今市駅~東武日光駅間(約7.1km)。所要時間は17分~23分。車両組成はSL+車掌車+客車(3両)+DL。初回については東武トップツアーズ(東武旅倶楽部)にて団体ツアーを実施します。

気になる新名称はSL大樹「ふたら」――日光の地名の由来ともなった男体山のかつての呼び名「二荒山(ふたらさん)」に由来し、鉄道産業文化遺産であるSLとともに、奥日光の雄大な自然や世界遺産「日光の社寺」などの威風堂々とした姿を感じていただきたいという思いが込められています。

新しいヘッドマークもお披露目

「SLふたらじゃないんだ」とちょっと驚いてしまいましたが、東武のSL列車愛称は今後複数機体制になることも踏まえ全て「SL大樹」になるとのこと。従来の下今市駅~鬼怒川温泉駅間を運行するSL大樹はこれまで通り「SL大樹」、東武日光駅発着のSLはSL大樹「ふたら」になります。

「ふたら」の文字を揮毫した涼風花氏

東武のSLといえば先日も真岡鐵道からやってきたC11 325のお披露目があったばかり。今年の12月からC11 207とC11 325のSL2機体制とし、年間通してSLに乗車できる状況を整え、2021年夏以降の鬼怒川線では平日を含めた毎日運転を実施し、今秋からの東武日光駅乗り入れとあわせ日光・鬼怒川エリアの更なる地域活性化を図ります。

7月31日に公開されたC11 325

当日はSL大樹「ふたら」のお披露目だけでなく、「SLで行くスローな時間の旅を通して、ゆっくりとした時間を過ごす価値を感じてほしい」という思いから、「It’s SLOW time」をスローガンにした新プロモーションも発表。女優の門脇麦さんも登場し、今回初お披露目となるプロモーションムービーの撮影秘話や「SL大樹」「日光・鬼怒川」の思い出を語りました。

女優の門脇麦さんとSL大樹「ふたら」

文/写真:一橋正浩

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