鉄道車両「青ガエル」渋谷に別れ 半世紀の現役生活、現場でコツコツ修理

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東京・渋谷駅前に展示されていた電車のモニュメント、通称「青ガエル」の移設作業が2020年8月3日朝、行われた。渋谷区の公式サイトによると、このモニュメントは1954年から1970年まで東急電鉄(東京都渋谷区)東横線で走った超軽量電車「5000系」の車両だ。その第1号車を、2006年に展示用に改造して設置したという。

「青ガエル」は東横線を「引退」したのち、熊本電気鉄道(熊本市)に譲渡され、現役として約30年間走り続けた。都会の鉄道でいったん役目を終えたのち、地方で「第二の人生」を歩んだ車両。長い期間走らせるために、現場ではどのような工夫があったのか。

現在も熊本電鉄北熊本駅で保管されている「青ガエル」。1985年に東急電鉄から譲渡され、2016年に現役を引退した(写真は2018年6月撮影のもの)

基本のメンテとさびや腐食の進んだ部分の修繕

「青ガエル」と同じ5000系車両「5101A」は、熊本電鉄で1985年から2016年まで運行した。年数は東横線よりも長い。J-CASTトレンドは、同社鉄道事業部に取材した。

車両課の担当者は、車両のメンテナンスについて「コンプレッサーやモーターといった消耗品の交換や、バッテリーの充電など、基本的なことを行っていた」と話した。「3~4か月に一度、自動車で言う車検のような定期点検」をしていたという。

「現行の車両に使われているようなステンレスやアルミとは違い、古い車両には鉄が使われています。当然、段々と車両の外装などがさびてしまうので、基本のメンテナンスに加えてさびや腐食の進んだ部分の修繕も行っていました」

寿命は「おおよそ50年」

それでも、メンテナンスだけでは車両を長持ちさせるにも限界があるという。車両課の担当者は、電車を現役で動かせる期間について「おおよそ50年が寿命」だと語った。

「昔の車両には、ブレーキ関係の部品やバネなど、今ではほとんど製造されていない特殊な部品も多いです。車両が作られた当時にあらかじめ予備として作られ保管されてきたものを使っていくしかなく、それが無くなればさすがに定期運用はできなくなります」

都会での役目を終えて「第二の人生」を歩んだ車両は「青ガエル」のほか、日本での引退後にアルゼンチンに渡って活躍した東京メトロ丸ノ内線の「500形」や、東急電鉄田園都市線から長野電鉄(長野市)に譲渡された「8500系」などがある。