【野球】春季リーグ戦開幕前インタビュー② 嶋田翔選手×植田響介選手 ~勝つための一打を~

延期となっていた東京六大学春季リーグが8月10日に開幕する。

それに先立ち、慶應スポーツでは開幕前インタビューを実施した。

第2回は普段から仲の良いという4年のお二人、嶋田翔選手(環4・樹徳)、植田響介選手(総4・高松商)にお話を伺った。

――まずは他己紹介からお願いします

嶋田:響介のことは高校生の時から知っているんですけど、すごく自分の世界を持っている人で、とにかく人に怒らなくて、自分勝手な僕をいつも温かい目で見守ってくれるような人です。

植田:嶋田は第一印象からすごく明るくて社交的な人だなっていうイメージがあって、それは今も変わらず、野球面でもプライベートでも、どんな場面でも先頭に立ってみんなを明るくしてくれる存在ですね。

――お二人は普段から仲が良いのですか

嶋田:仲良いよな?

植田:そうっすね(照)。

嶋田:二人で温泉とかもよく行きます!

――お互いにこういう所がいいなと思うところはありますか

嶋田:響介は、良くも悪くも何も考えてなさそうで、人に言われたこととかも気にしないんです。本当はちゃんと考えている人なんですけど、何も考えてないように見えるのがうらやましいですね。僕はすぐ落ち込んだりとかするんですけど、響介はそういうのが態度とか表情に出ないですし、ポーカーフェイスっていうんですかね?それがいいなと思っています。

植田:僕も嶋田みたいなキャラがうらやましいと思っていて。本当にいつも元気で明るくて、僕には持ってないものを持っていると思いますね。

――野球面でもお二人で話されたりすることはありますか

植田:主にはバッティングの話とかをしますね。

嶋田:考えが一致することもよくあります。

植田:いいアドバイスくれますよ、キャッチャーの投げ方とかも。

――お互いプレーヤーとしてはどういう選手だと思いますか

植田:お互い似た感じで、二人ともバッティングが買われている方かなと思うので、あとは共通して肩の強さもありますし、共通して足の遅さも持っているっていう感じで・・・(笑)

嶋田:ハハハ!(笑)

植田:体形も似たような感じで、ほぼ同じみたいな感じですね(笑)。

嶋田:そうだね、特徴的にはね。性格はだいぶ違うけど。彼は結構考えてやるほうなんですけど、僕は考えすぎるとダメになるタイプなので。理論派か本能型かみたいな感じですかね。

今季も嶋田の熱いプレーの注目だ

――リーグ戦が延期という形になって、チームの雰囲気はいかがでしたか

嶋田:8月に試合ができるっていうことを聞いたときに、六大学しか野球ができない状況になっていたので、まずは自分たちができることをしっかりとやっていこう、万全の態勢で臨もうということで、みんなが自分のやるべきことをしっかりとやってきて、今はすごくいい状態なのかなと思っています。

――先が見えない状況の中でモチベーションの維持は難しくなかったですか

植田:もともと、日本一・リーグ戦優勝・早稲田に勝つ、という三大目標を持って練習しているんですけど、リーグ戦ができないかもしれなくなって、個人によってはモチベーションが切れたこともあったんじゃないかと思います。でも、チームとしてはそういう雰囲気は全くなくて、全員が一つの方向に向かって限られた中での練習をしっかり積み上げることができていると思います。

嶋田:オンラインで全体でのミーティングを行ったりして、そこで近況報告みたいなものを各自しあっていたので、4年生だけじゃなくて下級生たちも野球部としての自覚を持って、コロナの中で一日一日どう成長しようかを考えて、自分のやるべきことを見直せた良い期間になったのかなと思います。

――自粛期間中、お二人がそれぞれ取り組んでいたことは

植田:僕はウエイトトレーニングと、バットを振ること、ランニングの3つを必ずやるようにしていました。とにかくスタミナを落とさないように、走ることと、場所を見つけて軽いティーや素振りだったりをしていました。

嶋田:僕はウエイトトレーニングと、バッティングの見直しを考えていました。ウエイトは、とにかく夏の試合があると分かって体力的にもきつくなるなと思ったので、今のうちにしっかり体作りはしておこうと。素振りに関しては、アメリカ(合宿)からリーグ戦に向けて課題があったので、その課題をどう克服するかを、自分の動画を見直したり、自分の参考にするバッターをよく見たりして研究していました。打席内で迷いがあるというか、自分の頭の中で整理できていなかった部分があったので、バッティングフォームというよりは、考え方の見直しをこの期間でやっていましたね。

――自粛期間を経て、今の調子は

嶋田:打席内で余裕が出てきたというか、失敗の仕方が徐々に良くなってきているなと思います。3割打てれば良いバッターと言われている中で、失敗してしまう残り7割を次にどう生かすかが、だんだん良くなってきていると感じます。

植田:堀井哲也監督が就任してすぐに、バッティングの基礎を教えてくださったんですけど、その基礎をもう一回自粛期間中にしっかり体に染み込ませて、今は結果もしっかりついてきているので、自粛期間でやってきた基礎基本の見直しというのはすごく為になりましたし、自分を成長させてくれたと思います。

――今の投手陣はいかがですか

植田:自粛期間を終えて、変化球のキレや球速が増したピッチャーもいて、特にびっくりしたのはBチームにいたピッチャーが自粛期間を経てAチームに食い込んでくるまで球速が伸びた人もいますし、たった2か月でそういう上達ができていることにびっくりしていて。ピッチャー陣は全体的に底上げが出来ていると思いますし、もちろん主力で投げる投手もどんどん成長できているなと感じています。

――特に期待できそうなピッチャーは

植田:もちろんみんなに期待しているんですけど、やっぱり木澤(尚文=商4・慶應)がキーマンになるんじゃないかと思っています。彼が抑えればチームの雰囲気も勢いも出てくるので、木澤の試合でのふるまいや投球が勝利のカギになるのかなと思います。

――警戒する他大バッターは

植田:沢山いますけど、やっぱり長打が怖いので、早稲田・岩本(久重=スポ3・大阪桐蔭)、立教・三井(健右=コミュ4・大阪桐蔭)、法政・中村(迅=経営4・常総学院)、このあたりは警戒する必要があるのかなと思います。

――内野陣の連携はどうですか

嶋田:いろんな入れ替えもあって、今は1年の廣瀬(隆太=商1・慶應)がサードをやっているんですけど、廣瀬がカギになってくるのかなと思っています。彼には1年生らしいフレッシュさがありますし、そこでの割り切ったプレーもできる子なので。和樹さん(小原=R2環卒)がいなくなってからも、瀬戸西(純=政4・慶應)もショートに、僕もファーストにいて、セカンドには去年から試合に出ている下山(悠介=商2・慶應)もいるので、1年生になるべく負担をかけないように、ずっとリーグ戦出てきたメンバーで上手く連携を図りながら、1年生をサポートしていきたいなと思っています。

植田が流れを引き寄せる

――チームの強みは

嶋田:どの打順からでも得点を取れるチャンスがあるのが強みですね。正木(智也=政3・慶應)、若林(将平=環3・履正社)、下山がいるので長打もいっぱい出ますし、福井(章吾=環3・大阪桐蔭)とか勝負強いバッターもいるので、チャンスになったら何かあるんじゃないかと常に思わせるような、周りから見たら怖い打線になっていると思います。

――今のチームも始まって半年以上たったと思いますが、チームとしての一体感はどうですか

嶋田:新しい1年生もやっと合流して、みんな慶應野球部としての自覚も出てきています。自分の役割を一人一人全うした結果がチーム力につながると思うので、160人の部員全員で勝つというのは今も忘れずに大切にしています。

――8月からのリーグ戦は今までにない短期決戦になると思います。勝負のカギになるポイントは何だと思いますか

嶋田:いつものリーグ戦よりは選手交代とかも激しくなってくると思うので、1枚目で出ていく選手だけじゃなくて、2枚目以降の選手もすごくカギになってくるとおもうので、自分の役割をどれだけ自覚して試合に臨めるかというのが短期決戦のカギになってくるのかなと思います。

植田:1週間で5試合っていうのはいつものリーグ戦とはまた違った問題が体に出てくる可能性もあるので、体のケアに関してはいつもより慎重に行う必要があると思います。ベストパフォーマンスを出すためには体に疲労がない状態の方が良いと思うので、疲れをいかに抜けるか、試合終わりにどういうケアをするかというのが大事かなと思います。

――お二人はどういう活躍をしたいですか

嶋田:僕は、まずはノーエラーというのと、内野手のボールをカバーするっていうのを第一にしたいです。守備があった上で、チャンスの一本をどれだけ打てるかだと思うので、そこを突き詰めていきたいと思います。

植田:僕は、まずは自分のプレーどうこうよりもチームが勝つためにその場その場での状況を踏まえた上でのバッティングであったり、守備では流れを変えるようなプレーというのを出来たらと思います。

――ケイスポを読んでくださっている慶大野球部ファンの皆さんに向けてリーグ戦への意気込みをお願いします

嶋田:いつも応援してくださってありがとうございます。夏のリーグ戦は変則的な形になりますが、野球部はしっかり準備してリーグ戦に臨みたいと思いますので、温かいご声援のほどよろしくお願いします!

植田:いつも野球部を応援してくださってありがとうございます。この夏は1試合総当たり形式の試合になりますが、チーム一丸となって1位・優勝を目指して頑張りますので温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします!

――ありがとうございました!

(この取材は7月31日にオンラインで実施しました。)

(取材:澤田夏美)

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