ラ・リーガのバレンシアで大ブレイクを果たし、今夏マンチェスター・シティへと移籍することになったスペイン人FWフェラン・トーレス。20歳の期待株ながら、2000万ポンド(およそ27.6億円)という比較的安値での取引になった。
この移籍に当たって、フェラン・トーレスは自身のSNSでバレンシアとの別れを惜しむ動画を掲載していた。
子供の頃から過ごしてきたバレンシアに対する愛にあふれる映像…。
ところが、トーレスが『Marca』のインタビューで語った内容を見ると、愛するクラブからはかなり厳しい扱いを受けてきたという。
フェラン・トーレス
「興奮しているし、幸せだが、同時にクラブを去ることになって悲しかった。バレンシアは僕にすべてを与えてくれたし、7歳の頃から育ててくれた。
僕はそこで苦労した。それがチームを去ることになった理由だ。ただとても感謝しているし、常にこれからもサポートするよ。
問題は、クラブ内部や一部のジャーナリストに、僕の評判を傷つけようと決意している人々がいることだ。僕はバレンシアのファンだから、悪口は言いたくないけどね。
クラブが僕をトップチームに上げると決めたあと、プレッシャーと批判に晒された。それは僕だけではなかったが、彼らは自分の代理人や家族に危害を加えようとしていた。
彼らは『トーレスは失敗するだろう』と言っていた。17歳だったからとても傷ついたよ。
愛と敬意を持って接してくれた記者もいたが、自分のイメージを汚すために働いているクラブの従業員もいた。
UEFA U-19選手権(2019年7月に開催)のあとに退団を考え始めた。クラブは『君のことは頼りにしていない』と言ってきた。文字通り5人目のウイングだと。補強は来るし、他のポジションの選手もいると。
さらにひどいことに、彼らはスペインのチームに僕を放出しようとしたこともあった。レバンテ、そして2部のチームを含む12のクラブから電話があった。そこで退団を考え始めたよ。
契約更新は検討したが、クラブに条件を提示していた。
一つはピーター・リム会長に僕がこのクラブで重要な存在だと理解してもらうこと。もう一つはフェルナンド・トーレスのようにキャプテンを与えてくれること、そしてチームで屈指の給与を約束してくれること。
3つのうち2つが満たされればよかったが、ゼロだった。
もちろんバレンシアに残りたかったし、そのための条件を提示した。クラブがヨーロッパのビッグクラブと同じ立場にないことは知っているが、そのプロジェクトを率いる存在になり、そのように大事に扱われることを望んだ。
しかし、クラブは僕を守りたくはなかったんだ。 (キャプテンのダニ・パレホと仲が悪いという噂がありますが)
加入から3年経って、僕は成熟して精神的に強くなった。だが17歳の時は違った。
彼は素晴らしい選手だが、関係は良くなかった。最初にトップチームに来たときも、『おはよう』という単純な挨拶を交わすまで何週間もかかった。
僕にとって彼はいいキャプテンではなかった。最悪なのは、マルセリーノ監督が解任されたあと、戦犯は僕とイ・ガンインだと見做され、何週間も無視された時だ。
イ・ガンインのことは愛しているよ。彼もそれを知っているだろうし、大いに助けたよ。彼は素晴らしい選手になるだろう。
彼が僕と同じ過ちを犯さないことを願っている。これまで困難を経験し、孤独を感じてきた。彼は愛と信頼を必要としているよ」
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韓国人選手のイ・ガンインとともに、マルセリーノ監督解任に繋がった戦犯として批判を受ける立場になっていたとか…。この二人の仲がいいことは知られていたが、なんとそれがチーム内でいわゆるスケープゴートになっていたためだったとは。