ソチ五輪・スピードスケートのメダリストがメジャー昇格!

チーム内で新型コロナウイルスのクラスターが発生したことにより、マーリンズは大幅なロースターの組み換えを強いられている。その一連の動きのなかで、30歳の内野手、エディ・アルバレスが初のメジャー昇格。この選手はスピードスケートでオリンピックに出場したことがあるという異例の経歴の持ち主である。

マイアミ出身のアルバレスは、スケートと野球を兼任しながら育ち、次第にスケートを優先するようになった。マイアミのビーチをローラーブレードで走行し、そのテクニックとスピードで周囲の人々を驚かせたこともあるという。その後、スピードスケートの複数の国際大会での優勝経験がある元オリンピック選手と出会い、奨学金を得て野球で大学へ進学することを断り、スピードスケートに専念するようになった。

2010年のバンクーバー五輪への出場は逃したものの、スピードスケートに専念したアルバレスは着実に成長し、2014年のソチ五輪でアメリカ代表の一員に選ばれた。キューバ系アメリカ人の男性スピードスケート選手がアメリカ代表としてオリンピックに出場するのは初めてのことだった。アルバレスは、個人で出場した3つのレースではメダルに届かなかったものの、5000メートルリレーで銀メダルを獲得した。

ソチ五輪終了後、アルバレスは野球に復帰して2014年6月にホワイトソックスとマイナー契約。「野球に戻って初めてバットを握ったとき、とても重く感じた。でもホームに戻ってきたような気分だった。ずっと野球をやりたいと思っていたんだ」とアルバレスは当時を振り返る。また、スケート選手としてのピーク時にスケートを辞め、野球に復帰したことについて、全く後悔していないという。

アルバレスはプロ2年目の2015年にマイナーで53盗塁を記録するなど自慢のスピードを発揮し、その後は打撃面でも着実な成長を示してきた。昨年3月にマーリンズへトレードされ、昨年はAAA級での66試合で打率.323、12本塁打、12盗塁、OPS.978の好成績をマーク。30歳にしてついにたどり着いた夢の舞台でどんなプレーを見せてくれるか注目だ。

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