僕には帰れるカフェがあるんだ、こんなに嬉しいことはない……「GUNDAM Café TOKYO BRAND CORE」を遊び尽くす!

リニューアルオープンした秋葉原ガンダムカフェに潜入!

東京、秋葉原駅からすぐに店舗を構える「ガンダム」シリーズのオフィシャルカフェ「GUNDAM Cafe(ガンダムカフェ) 秋葉原店」が、新たに「GUNDAM Café TOKYO BRAND CORE」としてリニューアルオープンした。従来のカフェスタイルとはまったく異なる、新たな体験型エンターテイメントレストラン施設を目指すという。今回は、シリーズをこよなく愛するミュージシャン/作家のタカハシヒョウリが全力で遊び尽くした「GUNDAM Café TOKYO BRAND CORE」の魅力をレポートする。

どうも、初めて買ったガンプラは1/144 ボルトガンダムのタカハシヒョウリです。

秋葉原に新たにグランドオープンした「GUNDAM Café TOKYO BRAND CORE」。以前のガンダムカフェから規模を約4倍まで拡大し、リニューアルされたその店構えは「でかい、でかいよスレッガーさん!」の一言。この伊達じゃないニュー・ガンダムカフェの中身は一体どうなっているのか、その魅力を独断と偏見でお送りします。君は、生き延びることができるか……?

早速、店内に突喊したいところだが、ちょっと待ってほしい。道に面した売店では、ガンダムカフェ名物の一つ「フォーチュンラテ」を楽しむことができる。こちらは、キャラクターやモビルスーツの印刷が施されたラテなのだが、絵柄がランダムで決まるという、いわゆる“ガチャ”要素があるのだ。各シリーズから様々なフォーチュンラテが用意されており、たとえば「GUNDAM Café TOKYO BRAND COREセレクション」では、キャラクターを1人指定するとカップリングされるもう1人のキャラがランダムで決定。200種類以上のカップリングが存在し、この2人まったく会話にならなそう……と心配になってしまう組み合わせが発生することもある。

ということで、筆者も一つ挑戦。『新機動戦記Wガンダム』の主人公5人の誰かが登場する<今日は誰とデートする?>で決まりだ!

デートに現れたのは……トロワ・バートン!「名前などない。どうしても呼びたければ、トロワだ」と、圧倒的に突き放したデートになりそうだ。秋葉原のド真ん中で始まってしまうのか、俺の自爆ショーが……!

このフォーチュンラテ、タブレット操作でその場でキャラクターが決定し、リアルタイムで印刷の様子も見ることができる演出がドキドキ感を高めていて楽しい。

さて店内は、「レストランエリア」「Zeon’s Diner TOKYO(ジオンズダイナートーキョー)」「グッズショップ」の3つのエリアに分かれている(※各エリアは現在、予約制だ)。

「Zeon’s Diner TOKYO」は、ジオン公国の将校のみが入店を許される特別な店をイメージした高級感あふれる雰囲気。入ってすぐ目を引くギレン閣下の肖像画は『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインを担当した安彦良和氏の描き下ろし。ハイパー化しそうな厳かなオーラを発している(それは『ダンバイン』だ)。しかも、この閣下が肖像画の中で持っているドリンクと同じものを実際に注文することができる。これはジオン国民には、たまらないインスタ映えポイントである。ジークジオンなう。

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ジークジオン #ガンダムカフェ

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Zeon’s Dinerの中心にある巨大なテーブルは戦闘シミュレーション装置も兼ねており、料理を置くとプロジェクションマッピングで料理からモビルスーツが出撃する! そして、敵襲警報と共に“連邦の白い奴”RX-78-2ガンダムが登場し、料理から出撃したモビルスーツ部隊で迎撃するという演出も。

登場する機体はランダムで、写真のシャアザクはなかなかレアらしい。ちなみに筆者が見た時はゴッグだらけで、さらにゾックまで現れジャブローを攻略する気満々であった。さすがゴッグだ、宇宙空間でもなんともないぜ。

奥のバーカウンターでは、白いスーツにサングラスの金髪男性が1人でグラスを傾けている。「あ!シャア……」と言おうとすると、店員のお姉さんに「シャアではありません」と怒られてしまった。こちらのお忍びで来ているシャアっぽい人と一緒に酒を酌み交わせるのもZeon’s Dinerの魅力だ。こちらのシャア……っぽい人とは、記念撮影もできる。「ねぇ~、本当はシャアさんなんでしょ~? ”坊やだからさ”って言ってくださいよ~」という絡み酒も可能だ。

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「ねぇ〜シャアさんですよね?坊やだからさって言ってくださいよ〜」 #ガンダムカフェ

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「対策」と「エンタメ」を両立! ガンダムカフェがエンタメの可能性を切り拓く

レストランエリアのパノラマモニターには、宇宙空間やコロニー内部の映像が流れており、まさに宇宙戦艦の食堂で食事をとっているような体験ができる。

ここでは、ガンダムシリーズのキャラクターとキャストの掛け合いによるディナーショーという催しがあるわけだが、これが相当スゴい! 筆者が体験したのは「シャアとガルマが贈る“暁の決起集会”」(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』)だ。

まず90分間のショーの間のアニメの分量が凄まじい。とにかくガルマとシャアが喋る喋る。『THE ORIGIN』本編のアニメもふんだんに使われており、映像をツマミに食事&歓談、合間合間でキャストとキャラクターとの交流が挟まる。ガルマ様のために、拳を突き上げジークジオン!

目の前に運ばれてくるドリンク、料理、デザートはショーと密接にリンクしており、かなりの没入感が得られる演出だ。料理とデザートは劇中でシャアとガルマが提案するどちらかのメニューを選ぶことができる。追加注文も可能で、ガンダムの世界観をイメージさせる様々なドリンクやフードがズラリ。そして何より、厨房で「下賤な兵たちの口に合うデザートが思いつかない……!」とデザート作りに苦悩するガルマと、それを励ますシャアといった本編では絶対に見られない貴重なお姿や会話を拝見することができるのが魅力だ。

現在は『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』と『機動戦士ガンダムSEED』の2種類のプログラムが用意されており、今後も順次追加予定とのこと。サボテン料理を提案しカミーユに修正されるクワトロ、ドモンと東方不敗のお料理修行対決、ハリー・オードの独特な美的センスが光るディアナ様に捧げるデザート……などなど、楽しみに待ちたい。

ちなみに、このレストランエリアと前述のZeon’s Dinerでは、それぞれアムロ、シャアのフェイスシールドがもらえる。こちらは、300円かアンケートに答えることで持ち帰りも可能だ。「対策」と「エンタメ」を両立した素晴らしい試みだと思う。

どっぷりとガンダムの世界に首まで浸かったあとは、「戦争は数だよ、兄貴!」とドズルの主張が聞こえてきそうな充実したグッズショップでお土産を買って、明日への活力を養ってほしい。

この日は、レストランエリアでのオープニングセレモニーが開催され、アムロ・レイ役の古谷徹さんが登壇。同日に67歳のお誕生日を迎えた古谷さんのバースデーサプライズも行われた。+半世紀のご年齢で、16歳のアムロのキャラクターも崩さずに表現しつづけてらっしゃるのは神業の一言。マチルダでなくとも「あなたはエスパーかもしれない」と言いたくなる。おめでとうございます!

個人的に、「シャアの方の料理は美味しくなさそう」「シャアっぽい人とは一緒に写りたくない」と、しっかりキャラクターを守った発言をビシビシきめてらっしゃるのが最高でした。

今や40年以上の歴史を持ち、世界中のファンに支持される「日本産キャラクターコンテンツの王様」、『機動戦士ガンダム』シリーズ。コロナ禍の中で、フィジカルの施設としてオープンとなった「GUNDAM Café TOKYO BRAND CORE」だが、随所に散りばめられたこだわりとアイデア、徹底した対策、そしてガンダムというコンテンツの持つパワーで、この時代のエンターテイメント施設の新たな可能性を切り拓いていってほしい。なかなか無理をしてでも遊びに行ってとは言いづらい状況だが、今すぐでなくともぜひ魅力を味わっていただきたい施設である。

「僕たちには帰れるカフェがあるんだ。こんなに嬉しいことはない……」じゃないか。

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