災害時に備え 長崎県と松浦鉄道が協定 被災者や物資の輸送など

協定書を交わす今里社長(右)と上田副知事=県庁

 自然災害や原発事故などに備え、長崎県は5日、松浦鉄道(佐世保市、MR)と緊急輸送に関する協定を結んだ。県の要請を受け、被災者や物資の輸送などに当たる。県が災害時の対応について鉄道事業者と協定を結ぶのは初めて。
 MR沿線の一部地域は玄海原発(佐賀県玄海町)から半径30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に入る。2018年度以降、同社も防災訓練に参加していることなどから締結。緊急時には県の協力要請を受け、被災者の輸送や災害対応に必要な人員、物資の輸送などに当たる。
 県庁で締結式があり、今里晴樹社長と上田裕司副知事が協定書を交わした。今里社長は1車両当たり一度に最大125人の輸送が可能で支援物資の混載も想定されるとし、「災害発生時の足としての責務を果たす覚悟」と述べた。上田副知事は「近年の災害は甚大化、広域化している。協定締結は大変心強い」とあいさつした。

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