オリオン減収減益 コロナで観光客減り純益11%減 20年3月期 

 オリオンビール(豊見城市、早瀬京鋳社長)は6日、日米の投資会社が設立したオーシャン・ホールディングスの完全子会社になって初年度となる2020年3月期決算を発表した。今年2月以降の新型コロナウイルス感染拡大による観光客の減少で酒類・清涼飲料事業、リゾートホテル事業とも収入が落ち込み、売上高は前期比2.9%減の249億7300万円だった。経常利益は同15.3%減の23億9600万円、純利益は同11.5%減の17億7900万円で減収減益だった。

 酒類・清涼飲料事業の売上高は前期比1.8%(4億円)減の218億3300万円で、国内市場のビール類の販売が新型コロナの影響で減少した。リゾートホテル事業の売上高は同10.0%(3億5千万円)減の31億3900万円だった。日韓関係の悪化や新型コロナ感染拡大で観光需要が冷え込んだ。

 ビール類の売上数量は前期比4.3%減の6万300キロリットルだった。過半を占める県内の売上数量が同4.7%(2300キロリットル)減の4万7600キロリットルとなった。

 観光客需要が大きいドラフトビールの売り上げが新型コロナの影響を受けて振るわず、たる・瓶商品が同5.2%減となった。

 一方で、昨年12月に全県販売を始めたプレミアムクラフトビールの「75ビール」の発売もあり、缶商品の売上数量は前期比0.7%増と好調だった。前期は売り上げが無かった「75ビール」が2億円、缶酎ハイブランド「ワッタ」が目標を1億円上回る3億8千万円を計上し、売上高を押し上げた。

 県外の売上数量は同2.9%減の9300キロリットルで、新型コロナの影響で業務用が減少した。

 海外は同2.6%減の3400キロリットル。最大の輸出先である台湾や香港、豪州は前期を上回ったが、日韓関係の悪化で昨年8月から韓国への出荷が停止したことが影響した。

 オンライン会見で早瀬社長は「(19年の)年末までは好調に推移し、第二の創業はいいスタートを切れたと見ていたが、年明け以降にコロナで予算割れした。今期はザ・ドラフト、ワッタなどの基幹ブランドが好調で、シェア回復の見通しは明るい」と述べた。

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