パートナーの「サブスク化」を支援する新サービス バックアップからIT資産の統合管理へ進化

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アクロニス・ジャパンは、販売パートナーを通じたクラウドサービスの拡販を今年後半の重点戦略とし、パートナー支援の体制を強化した。新サービスの「Cyber Protect」ではバックアップに加えて、セキュリティや端末管理の機能を大幅に強化した。これらの機能をクラウドから提供することで、パートナーがサブスクリプション型の商材を迅速に立ち上げられるようにするほか、パートナーのビジネス変革を支援する専任担当者を置き、物販からサービスへのシフトを後押ししていく。

嘉規邦伸 社長

同社はバックアップソフトを主力にしていたが、近年はランサムウェア対策などのセキュリティ機能を強化し、それらをサブスクリプション型のクラウドサービスとして提供している。既に北米ではクラウドサービスの売り上げがバックアップソフトのライセンス販売を上回っているといい、日本市場でもクラウドの拡販を成長戦略に位置付ける。今年5月に提供を開始したCyber Protectでは、企業内の各PCにセキュリティパッチが正しく適用されているか、不審なサイトへのアクセスが行われていないかなどをリモートで監視できるようにした。従来であれば資産管理ツールでカバーしていた機能をバックアップと合わせて提供することで、データ保護、端末管理、トラブル時の復旧などを総合的に担うソリューションへと進化させた。

同社の特徴は、法人向けには直販を行わず、これらのサービスをすべてパートナー経由で提供する点だ。嘉規邦伸社長は「当社はIT資産を保護するサービスを提供するためのプラットフォームを提供する。それをパートナーのブランドで販売していただくことを厭わない」と述べ、クラウドサービスでありながら、パートナー各社が自社の独自商材として販売できることを強調する。

Cyber Protectは前述のようなデータ保護・セキュリティ機能に加え、顧客管理や課金の仕組みを備えており、パートナーは必要な機能をAPI経由で利用できる。嘉規社長は「物販からサブスクリプションへのシフトがIT業界全体で課題となっているが、SaaSの再販だけで十分な収益を得ることは困難」と話し、SaaSサブスクリプションの再販では価格以外の差別化が難しいことを指摘。それに対して同社のCyber Protectでは、独自のサポートを組み合わせたり、API連携によって新たなソリューションを構築したりすることで、パートナーが付加価値の高いサービスを提供できることがメリットだという。7月13日には、パートナーの1社であるジャパンコンピューターサービスが、Cyber Protectを活用したエンドポイント統合管理サービス「JCS Cyber Protect Cloud」を開始している。

同社では7月から、パートナー営業担当者とは別に、パートナーのクラウド事業をサポートする専門職の「パートナーサクセスマネージャー」を設置した。物販中心だった販売パートナーがサブスクリプションビジネスをスムーズに立ち上げられるよう、事業計画の支援やノウハウの提供を行う。(日高 彰)