経産省が今年も「LIFE UP プロモーション」実施 IoT家電促進へ5億5千万円

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経済産業省は、2020年度も「LIFE UP プロモーション」を実施することを発表した。シャープ傘下のAIoTクラウドを幹事会社とする「AIoTクラウドコンソーシアム」と、KDDIを幹事会社とする「KDDIコンソーシアム」が参画することが明らかになった。

LIFE UP プロモーションは、多様な家電やデバイスなどがネットワークに接続され、プライバシーが確保された環境において、生活データを流通させ、消費者のニーズを適格に捉えたサービスを提供する市場の創出を目指すもので、IoT家電や機器を活用したサービスの利用契約を行った消費者に対して、ポイントを付与したり、ディスカウントを行ったりする特典を付与。IoT家電の利用や生活データの活用などを促進するのが狙いだ。

5億5,000万円の予算規模で実施、対象サービスや機器は拡大

昨年度に続き、2回目となる今回は、令和元年度補正予算の「生活空間におけるサイバー/フィジカル融合促進事業費」により実施。5億5,000万円の予算規模となっている。

前年度は、家事の負担軽減など、時短につながるサービスが対象となっていたが、今年度は社会課題を解決するサービスへと対象を拡大。安全や健康、介護なども対象になる。また、対象機器は、家電製品などのネットワークに接続できる機器に加えて、人感センサーや温度センサーなどのセンサー機器も対象となり、対象期間中に1カ月間以上、利用契約を行って、生活データを継続して提供する場合に、最大で1万円分の特典が付与される。企業への補助率は2分の1以内、最大補助額は5,000円となっている。

また、今年度は、他社間クラウド連携の標準モデルを活用することを推奨しており、プラットフォーム間連携によって、異なる企業同士を相互接続して、機器とサービス、生活者がつながる仕組みを創出する狙いも盛り込んでいる。

AIoTクラウドが幹事会社となる「AIoTクラウドコンソーシアム」には、シャープ、ジュピターテレコム(J:COM)、KDDI、ノーリツ、セコムの合計6社が参画し、AIoTクラウドとKDDIがプラットフォーム事業者として、生活データを集約し、各種サービスとの連携を可能にするデータプラットフォームを提供。シャープ、J:COM、セコム、ノヘリツがサービス事業者として、収集した生活データを活用して、家事負担の軽減や日常的な見守りサービスなどを提供する。

具体的には、シャープのAIoT家電からの生活データを活用した「COCORO+サービス」により、利用者の好みや習慣を踏まえた献立、調理、洗濯、空調に関するおすすめの運転や自動制御などを行うことで、家事負担の軽減やゆとり時間の創出に貢献する。

液晶テレビ「AQUOS」では、COCORO VISONを通じて、AIが利用者の視聴傾向や習慣を学習して、好みに応じた番組や情報を通知。気になるタレント名やキーワードを登録すると、関連する番組を知らせてくれる。

ヘルシオでは、COCORO KITCHENを通じて、各家庭の使用スタイルに合わせて毎日のメニューを提案。データ分析レベルを向上させたことで、時間帯別に調理履歴を学習。朝、昼、晩でそれぞれにメニューを表示する。

また、エアコンでは、COCORO AIRを通じて、睡眠制御を行い、設定温度や気象予報に合わせて、クラウドAIが自動で設定温度を調整し、省エネ運転を行いながら、快適な睡眠環境を実現する。ここでも、データ分析レベル向上させたことで、就寝から起床までの時間を、それぞれの睡眠ステージに合わせた設定温度でコントロール。前半は深い睡眠に誘導するように温度を低めにキープする一方、起床に向けた後半は冷気に敏感になるため、温度をあげるといった制御を自動的に行う。

一方、J:COMでは、J:COM HOMEアプリを利用して、ネットワークカメラやマルチセンサーなどのJ:COM HOME端末だけでなく、シャープのAIoT家電の情報を一元管理。家電の遠隔操作機能や音声操作機能と組み合わせた利用ができる。

また、セコムでは、セコムみまもりホンのオプションとして、シャープのAIoT家電からの生活データを活用して、見守る側、見守られる側の双方に負担の少ない日常的な見守りサービスを提供する。セコムみまもりホンの位置情報と、テレビの視聴状況を組み合わせて、離れて暮らす高齢の家族の生活状況を把握。利用者や家族からの緊急通報をもとに、セコムが現場に駆けつける急行要請もできる。

ノーリツでは、同社の無線LAN対応ガス給湯機器や石油給湯機器からの情報を「わかすアプリ」で確認することができ、湯はりなどの操作ができる。また、シャープスマートライフアプリ「COCORO HOME」とも連携して、スマホやタブレットの「COCORO HOME」から給湯器の操作を行うことも可能だ。

年末商戦にかけてIoT家電普及の弾みに

AIoTクラウドコンソーシアムに参加する各社は、9月中旬以降に、「スマートライフ家電キャンペーン」として、特典の詳細をはじめとした内容について発表する予定であり、「家電量販店などにおける年末商戦の販売促進策のひとつに位置づけ、AIoT家電の普及にもつなげたい」(AIoTクラウド プラットフォーム事業推進部の松本融副事業部長)としている。

シャープは、昨年度のLIFE UP プロモーションでは、キャンペーン開始前である2019年9月時点での対象機種のネットワークへの平均接続率が約40%となっていたが、キャンペーン終了時の2020年3月には約70%にまで向上させた実績がある。

同社では、今回のキャンペーンを弾みに、白物家電におけるAIoT家電の構成比を、現在の50%以上から、2020年度中には60%に拡大。さらに、家電全体のWi-Fi接続率を7~8割にまで高めたいとしている。

一方、KDDIコンソーシアムでは、KDDIのほかに、静岡ガス、中部テレコミュニケーション、AIoTクラウド、シャープ、with HOME販売代理店などが参画。KDDIが提供するデバイスとau HOME、シャープのAIoT家電を活用して、生活データをもとにした各種サービスを提供することになる。

国内におけるIoTによる生活データ活用の促進と、機器の普及を目指す取り組みとして、注目される。