TikTokの神奈川県投稿動画、全78本を非公開に 安全性に懸念高まり

神奈川県庁

 若者に人気の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の安全性への懸念が高まっている問題で、神奈川県は7日、これまで投稿した全ての動画78本を非公開とした。関係者への取材で分かった。県民らから、利用に不安を訴える意見がメールなどで100件以上届いたためという。

 県は昨年11月にティックトックの運営会社と連携協定を結び、若者に向けた政策を動画で投稿してきた。庁内のサーバーには接続できない専用のスマートフォンで運営し、情報漏えいへの対策を講じてきたが、県として安全性を確実に保証できないことから、動画を非公開とした。今後も利用するかは、政府の動向を見極めた上で判断するという。県内では横浜市も連携協定を締結しているが、市の担当者は7日、「状況を注視している」と説明した。

 ティックトックを巡っては、アプリを通じて個人情報が中国政府に収集される懸念があるとして、各国で利用制限の動きが広がっている。自民党の議連も、ティックトックなどを念頭に中国発のアプリの利用制限を政府に提言する方針。ただ、ティックトック側はこれまで、中国政府へのデータ提供を否定している。

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