先払いで飲食店応援を キャンペーン利用と店舗登録呼び掛け 「長崎よかみせ」PR強化

飲食店事業者(手前)に事業の説明をする県職員=長崎市内

 新型コロナウイルスの感染が広がり、長崎県内でも外食控えによる飲食店の苦戦が続く。県は、現在展開中の先払いによる飲食店応援事業「長崎よかみせキャンペーン」の周知を強化し、「今こそ先払いを活用して飲食店の応援を」と呼び掛けている。県民の利用促進と合わせ、登録店舗の増加にてこ入れを図っている。
 同キャンペーンは、新型コロナの影響で消費が落ち込んだ県内飲食店を応援しようと6月1日から実施。前売り食券販売サイトで県内飲食店の券を買えば、1回3千円以上の購入を対象に購入額の3割に相当する県産品の詰め合わせが届く。券の利用時にサービスを用意している店舗もある。事業者にとってはコロナ禍でも収入が見込め、利用者はコロナ収束後、お得に飲食ができるシステムだ。
 ただ、キャンペーンが始まる前の5月14日、全国に発令されていた緊急事態宣言が本県を含む39県で解除され、翌15日、県は遊興施設を含む休業要請を全面解除。事業が始まる頃には、直接飲食店を訪れる県民が増え、同事業の登録店舗と利用者数は伸び悩んだ。
 県物産ブランド推進課によると、7月末時点で登録店舗は約260件。目標数800店舗の約3分の1程度。利用実績は2カ月で約1500万円と、想定の6分の1にとどまっている。
 7月、県内で感染者が急増し外食を控える傾向が強まってきた。同課は「立ち直りの兆しが見えた店舗がまた低迷する恐れがある。今こそ先払いを活用してもらう時」として、ホームページやテレビCMなどで利用を呼び掛ける。
 また、登録店舗を増やそうと未登録の店舗への働き掛けを強化。担当職員は電話や直接店舗を訪問して事業内容を説明し、登録を促す。説明を受けた店主は「(先払いは)お客さまに応援していただいているようで助かる。苦境を耐え抜き、来店した時にがっかりさせないような店作りをしなければ」と気を引き締めた。
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 キャンペーンの対象サイトは「みらいの食券」(長崎市、connne運営)と「さきめし」(福岡市、Gigi運営)。店舗登録や利用についての問い合わせは同課(電095.895.2621)。 

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