のんが「#あちこちのすずさん」でナレーションを担当

NHK総合で、8月13日放送の「#(ハッシュタグ)あちこちのすずさん~教えてください あなたの戦争~」(午後10:00)で、アニメ映画「この世界の片隅に」で主人公・すず役を演じたのん、すずの夫・周作役の細谷佳正、義理の姉・径子役の尾身美詞が、ナレーションを担当することが分かった。

恋におしゃれ、忘れられない食べ物…戦時中でも毎日を懸命に暮らしていた、2016年公開の映画「この世界の片隅に」の主人公・すずさんのような人たちを捜して、当時の記憶を#(ハッシュタグ)でつなげていこうという「#あちこちのすずさん」キャンペーン。その一つとして放送される今回の番組の中では、視聴者から寄せられた「お弁当の思い出」「空襲の下の青春」など、ごく普通の人たちのエピソードをアニメにして紹介。のんら3人は、そのアニメパートのナレーションを務める。

のんは「私は、すずさんを演じさせていただくまで戦時下にあった日本の状況を、違う世界のお話のように感じていました。映画やドラマなどでは触れたことはある。頭では本当にあったことだと分かっていながら、実感が湧かなかった。けれど、このあちこちのすずさんでは、当時を生きていた方たちのうれしい日常やおちゃめな風景をのぞかせてくれる。おしゃれをしたり、恋をしたりロマンチックな思い出を見せてくれる。そういう、日常を楽しくさせる気持ちは、今を生きる私たちと同じ。その気持ちに共感して、私の中であちこちのすずさんがリアルに動きだしました」と、悩みながらすず役にアプローチしたことを振り返る。

そして「直接会ったことはないけれど、私たちとあちこちのすずさんはつながっている。途端に愛情が湧いて思い入れができると、戦争があったことが心の奥深くにズシンと重く落ちてきました。自分の今いる日本で起きたことなのだと心で感じられたことで、やっと目を背けずに考えられるようになりました。あちこちのすずさんたちの思い出を、大切に読ませていただきたいと思います」と意気込みを語っている。

尾身は「私が担当したのは、75年前にも私と同じように宝塚歌劇団という夢に向かい、人生への希望を持っていた女の子がいたけれど、空襲の1日ですべて変わってしまったお話です。何かを失って、何かを得る。苦しい出来事でも、言葉では表現できないような巡り合わせにつながっていく姿に人生の不思議さを感じました。戦争で犠牲になった人たちの後ろには、一つ一つの人生があったことを感じながら、8月を過ごしていただければうれしいです。自分たちと何ら変わらない1人の人間が歩んでこられた75年の日々を想像してみてください」とメッセージを寄せている。

なお、映画 「この世界の片隅に」は8月9日(午後3:50)にNHK総合で放送される。

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