1.5億ドルのダイヤを盗め! 女性窃盗団のスキルと豪胆さにサムズアップ!『オーシャンズ8』とシリーズイッキ観!!

『オーシャンズ8』© 2018 Warner Bros. Entertainment Inc. and Village Roadshow Films (BVI) Limited. All rights reserved.

ライトな映画ファンでもそのタイトルだけは知っているほどの世界的大ヒット作『オーシャンズ』シリーズ(2001年~)の最新作にして、女性だけで構成された強盗団がフィーバーする痛快エンタメ作品『オーシャンズ8』。地上波初放送の際には、初体験層もリピート層も巻き込んでSNS等で広く話題に上がるなど、改めてその面白さを証明した。

『オーシャンズ8』デジタル配信中 Blu-ray ¥2,381+税/DVD ¥1,429 +税 ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント © 2018 Warner Bros. Entertainment Inc. and Village Roadshow Films (BVI) Limited. All rights reserved.

そんな『オーシャンズ8』をより楽しむためにも、まずは人気シリーズの礎を築いたスティーヴン・ソダーバーグ監督による過去作を復習しておこう(※観ていなくても『8』の面白さにはビタイチ支障はないが)。

『オーシャンズ11』 © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

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第1作『オーシャンズ11』(2001年)の主人公は、ジョージ・クルーニー演じる泥棒で詐欺師のダニー・オーシャンだ。4年の刑期を経て仮釈放の身になった彼はカジノへ直行し、なにやら因縁ありげなラスティー(ブラッド・ピット)と合流。そしてひとしきりポーカーを楽しんだ後、さっそく次なる犯行(カジノ強盗)の計画を練るのだった。

『オーシャンズ11』 © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

クルー兄ぃ&ブラピに加え、ジュリア・ロバーツ、マット・デイモン、アンディ・ガルシア、ドン・チードルなどなど超豪華キャストながら、驚異的なテンポの良さで2時間弱に収めている本作。資金提供者からコソ泥まで個性豊かな面々に各々の役割が分担され、まさか! な展開の連続で飽きさせない。いま観るとツメの甘さを感じる部分もなくはないが、後のケイパー(強奪)ものに多大な影響を与えた傑作であり、00年代らしくスカッと楽しめるエンタメ作品に仕上がっている。

『オーシャンズ11』デジタル配信中 Blu-ray ¥2,381+税/DVD 特別版¥1,429 +税 ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

そんな『11』のヒットを受けて制作されたのが『オーシャンズ12』(2004年)。主要キャストはそのままに舞台をオランダに移し、ヴァンサン・カッセル演じるスリル中毒者フランソワとの対決構図と、さらに二転三転する展開で新たな刺激を演出している。

『オーシャンズ12』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

前作と比べて盗みの動機こそ貧弱だが、大規模強盗という目的がブレないかぎり鉄板のシリーズであることを証明した。

『オーシャンズ12』デジタル配信中 Blu-ray ¥2,381+税/DVD ¥1,429 +税 ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved

そして意外や“復讐モノ”として始まる『オーシャンズ13』(2007年)にはアル・パチーノも参戦し、大切な仲間を裏切った強敵としてオーシャンズの前に立ちはだかる。

『オーシャンズ13』© 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

“盗み”がメインではなくなったものの、人工知能を搭載した最新セキュリティを破るという、ミッションの規模も伴うスリルもド派手に倍増させた。かつての敵と協力体制をとる展開も胸熱だし、もし『スカーフェイス』(1983年)のトニー・モンタナが生き残っていたら? と想像したくなるパチーノの悪党っぷりも最高だ。

『オーシャンズ13』デジタル配信中 Blu-ray ¥2,381+税/DVD ¥1,429 +税 ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント © 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

メンバー一新! クールな女性強盗団が1億5千万ドルの宝石を狙う『オーシャンズ8』

冒頭、『11』のダニーと同じく数年ぶりにシャバに出てきたと思ったら、その足で化粧品売り場に直行し狡猾な万引&詐欺テクニックを披露するのは、ダニーの妹にして主人公のデビー(サンドラ・ブロック)。もうこの時点で楽しくてウキウキしてくるのだが、長いこと臭いメシを食ってきた彼女の目的はそんなチンケなシロモノじゃあない。真の狙いは、VOGUE主催のMETガラで人気女優ダフネ(アン・ハサウェイ)が着用する(させる)1億5千万ドル相当のブリンブリンなダイヤモンド・ネックレスを盗み出すこと!

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そんなヤバいブツを狙うデビーの相棒は、ケイト・ブランシェット演じるルー(過去シリーズにおけるブラピのポジション)。そこに宝飾担当のアミータ(ミンディ・カリング)、衣装担当のローズ(ヘレナ・ボナム・カーター)、さらに二児の母タミー(サラ・ポールソン)といった個性的な面々が各々の事情で参加。中でも音楽業界から参戦した、ハッキング担当のナインボール(リアーナ)とスリ担当のコンスタンス(オークワフィナ)のキャラ立ちは格別。特にオークワフィナは本作への出演(&同年の『クレイジー・リッチ!』も大ヒット)をきっかけに本格的に女優としてブレイクしたので、その貢献度だけでも評価されるべきだろう(彼女は本作の脚本家オリヴィア・ミルチの初監督作『エンド・オブ・ハイスクール』[2018年]にも出演している)。

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基本設定はもちろん過去作へのリスペクトなど、シリーズを引き継いだゲイリー・ロス監督(『ハンガー・ゲーム』[2012年]ほか)の慧眼が光る本作。シリーズ中もっとも各役割がハッキリしているというか、ここぞ! というシーンがそれぞれにしっかり用意されているのも見事(ナインボールやタミーの比重がやや重いが)。また、女性メンバーだけである理由としては「男は“無視されない”からダメ」というセリフで世間の根深い女性蔑視を揶揄してみせる。3Dプリンターなど最新技術の使い方も(真偽はともかく)SFみがあって楽しいし、ファンにとっては過去シリーズのキャストのカメオ出演も嬉しいはず。

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そして何より、ひときわ輝くケイト・ブランシェット=ルーのカッコよさ! なかなか真似できるものではないが、シーン毎に変わるクールなファッションを見るだけでも充分楽しめるので、ぜひデビー以外のキャラクターにもしっかり注目していただきたい。

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『オーシャンズ8』『オーシャンズ11~13』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2020年8月放送

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