“バスを誘う要素の塊”『サイコロラバー』は見た目も釣果もフツウじゃない!!【これから来る! モノ&テク大集合】

名状しがたき形状のバス釣り用ワーム『サイコロラバー』。2019年のJBトップ50霞ヶ浦戦で準優勝した藤田京弥選手が使用していたことで広く知られた感があるが、それ以前から通は知っていた。知ってはいたが、みな一様に口を固く閉ざしていたのである。なぜか? それはやはり…釣れるからだ!

解説は田渕秀明さん!

【Profile】
田渕秀明(たぶち・ひであき)
香川県在住の元JBトップ50プロであり、サイコロラバーの開発者。昔から変わったリグやルアーなどを考案していた。本業はアルティメイトワールドのオーナー。

この世の物ならざる奇怪なワーム…?

とあるショップで店員を務めるトップ50プロに「最近売れてるワームなんですか?」と尋ねると、これを指差した。まばらにシリコンスカートが生えた四角いワームの塊…。生き物っぽくもなければ、ルアーらしくもない。

サイコロラバー(フィールドサイド)

1パック1個入りで、カラーもサイズも10通りある。一番大きなサイズは居酒屋のお通しで出てくる冷奴くらい(!?)ある。

写真はオーソドックスなサイズのノーシンカーリグ。マスバリがおすすめ。サイトやボイル撃ちに向いている。

サイコロラバー(フィールドサイド)

見る人によっては『こんなんで釣れるの?』と思うかもしれない。しかしこれが一部のマニアの間で人気なのだという。では、開発者の田渕さんに釣れる秘密を伺おう。

釣れるワームを追求したら自然とサイコロに

田渕「見えているのにスレていて食わないバスをなんとか釣る方法がないかと考えていました。見切られる要素を全部排除して、バスが興味を示すところだけを考えると…自然にああいう形になりました」

なるほど、あくまでも人ではなくバスを釣るために必要な、記号的要素の塊なのだ。しかし、なぜサイコロ型なのか、どう使うと釣れるのか、疑問は尽きない。

田渕「なにかの生き物を模したわけではないですね。小さくてもスイッチを入れるために、平らな面で水を押す波動を出そうとしたら自然とサイコロになりました。ルアーに長さがあると、どうしても水を押した時にバランスを崩しやすいんです」

『サイコロラバー』実践的リグ法3種をご紹介!

田渕「基本的な使い方は、フワッと落としながら、ラインを緩めたシェイクをすると見切られにくいです。スカートが震えながら落ちて…そのままパクっといくか、食わなければ一瞬引っ張ってバスにスイッチを入れ、またシェイクしてると食いますよ」

使い方その【1】ダウンショットリグ

サイトフィッシングやストラクチャー周りにサスペンドしているバスを狙う。田渕さんも試合でよく使っていたという実戦向きなリグだ。トゥイッチからのシェイクが釣れるらしい。

使い方その【2】ジカリグ

マスバリを使用したジカリグ。縫い刺しにして、ハリ先をボディの後ろに乗せる。これでカバーに撃ち込んで、シェイクで誘う。ボディが太いので、意外に引っかかりにくいそうだ。

使い方その【3】縫い刺しノーシンカーリグ

ストレートフックかオフセットフックの縫い刺しノーシンカーリグ。イメージは「引っかからないクローラーベイト」…ということだが、見た目からイメージするのはなかなか難しい。浮きゴミやバックウォーターにサスペンドしているデカいバスを狙う。

田渕「ポッパーみたいな音と水押しで下からバスが上がってきます。そのままシェイクしていると丸飲みしますよ」

田渕さんのJBマスターズ優勝を支えたワームでもある

2016年JBマスターズ霞ヶ浦戦にて、田渕さんはプラから試合まですべてのバスをサイコロラバーで釣り上げ見事優勝! ダウンショットで、「引くと上方向に動くアクション」を出したのだという。

人の目には奇妙に映る形状も、バスを惹き付けるために考え抜かれた知恵の塊。田渕さんのアイデアがサイコロ状にギュッと詰まった『サイコロラバー』で、バス釣りの新たな深淵なる領域へと踏み込んでみるのはいかがだろうか。

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