【横浜隼人6-1湘南学院】
打球は左中間へ大きな弧を描き、ハマスタの外野席に届いた。初回に先制2ランの横浜隼人・菊地は「打った瞬間、入ったなと思った。この3年間で一番いい当たりでうれしい」。高校通算21号でチームを勢いづけた。
174センチ、90キロのがっしりした体形で右打席に構え、球筋を見極めるように3球続けて手を出さない。2ボール1ストライク。狙っていたストレートを一振りで仕留め、「脱力してうまく捉えられた」と自賛する。
活躍を届けたい人がいた。大会前、手芸の得意な母裕子さん(54)が3年生部員30人に手作りの布マスクをプレゼント。ユニホームと同じタテジマのデザインに練習着の背番号入りだ。「お母さんには本当に感謝。帰ったらホームランボールを渡したい」。スタンド観戦はかなわなかったが、最高の親孝行になったはずだ。