「グアルディオラが見込んだのに消えた」バイエルンの天才6名

現在マンチェスター・シティの監督を務めているジョゼップ・グアルディオラ。世界でも有数の指揮官として知られている。

彼が監督として大きく名を上げたのがバイエルンでのキャリア。古巣であるバルセロナでの成功は当然といったところもあったが、外国への挑戦でも結果を残したことでその適応力にも高い評価を受けた。

では、2013年から2016年まで率いていたバイエルンでグアルディオラがデビューさせた「下部組織の天才たち」は今どうしているのか?『Planet Football』の特集を見ていこう。

ルーカス・レーダー

バイエルンでのデビュー:2014年4月12日、ドルトムント戦

出場数:3試合

シャルケ04のユースで育成されていた194cmの巨漢ゴールキーパーは、2012年にバイエルン・ミュンヘンと契約。2014年4月12日のドルトムント戦でハーフタイムにマヌエル・ノイアーとの交代でデビューを果たしたが、後半に2失点を喫している。

その後DFBポカールの準決勝カイザースラウテルン戦でも出場したが、2014年の夏にヴィトーリア・セトゥバウへと移籍。それからブラッドフォード・シティ、ロット・ヴァイス・エッセンを経て現在はVfBリューベック(3部)に所属している。

イリ・サラヒ

バイエルンでのデビュー:2014年4月5日、アウクスブルク戦

出場数:1試合

カプフェンベルガーから2011年にバイエルンのアカデミーに加入し、Bチームでプレーしていた左サイドバック。コソボ系のアルバニア人であるが、オーストリアで育ったという珍しい出自を持っていた。

2014年4月5日、グアルディオラ監督はマンチェスター・ユナイテッドとのチャンピオンズリーグ準々決勝に向けてターンオーバーを行うことを決断し、主力でない選手をプレーさせた。サラヒはいきなり左サイドバックとしてスタメンデビューするも、試合は0-1の敗北…。バイエルンにとっては53試合無敗という記録が途切れる黒星だった。

結局彼は51分でダヴィド・アラバと交代させられ、これが唯一のバイエルンでの出場に。2015年にはカールスルーエへと移籍したが、2017年に退団してからはずっと所属クラブがない。

ジュリアン・グリーン

バイエルンでのデビュー:2013年11月27日、CSKAモスクワ戦

出場数:4試合

バイエルンの下部組織では最も期待できるタレントとして評価されたアタッカー。アメリカで生まれてドイツで育った快速ウイングで、2013年のチャンピオンズリーグで途中出場からデビューした。さらに2014年にはワールドカップのアメリカ代表メンバーにも選出される。ベルギーとの試合では代表初ゴールも…。

ただその後ハンブルガーSVへのローン移籍が大失敗に終わったことでペースが崩れてしまったのか、急速に存在感を失っていった。

2017年にはシュトゥットガルト、グロイター・フュルトへと貸し出され、そのまま完全移籍。今季はドイツ2部でプレーし、22試合で4ゴールを決めている。

ジャンルカ・ガウディーノ

バイエルンでのデビュー:2014年8月13日、ドルトムント戦

出場数:11試合

17歳という若さでグアルディオラ監督がチャンスを与えたヤングスター。元ドイツ代表MFのマウリツィオ・ガウディーノの息子である。DFLスーパーカップでデビューすると、ブンデスリーガでもクラブ史上4番目の若さで出場を果たしている。

「最初の試合を終えたあと、長期的にバイエルンで成功できると思っていた。しかしそれから穴に落ちた。まだ準備ができていなかったんだ。当時の体重は60kgしかなく、現在よりも15kg少なかった。プロの世界で一歩先に行くために必要なレベルはなかった」

ガウディーノは2019年に『Bild』でこのように話した。2017年にキエーヴォへと移籍したあとスイスへと渡り、現在はヤングボーイズ・ベルンでレギュラーを務めている。

シナン・クルト

バイエルンでのデビュー:2015年4月25日、ヘルタ戦

出場数:1試合

ボルシアMGのアカデミーで長く育成されたアタッカー。ドイツの年代別代表チームでは常に中心選手であり、かなりのエリートプレーヤーであった。

2014年にバイエルンからの誘いを受けて加入し、2015年4月のヘルタ・ベルリン戦でハーフタイムに途中出場。19歳でデビューして勝利に貢献するも、出場はこの1試合のみとなってしまった。

2016年1月にヘルタ・ベルリンへと完全移籍したがそちらでもほぼBチームでのプレーとなり、昨年2月にオーストリア2部のWSGスワロフスキー・ティロルに加入した。そこも半年で退団しており、今季は24歳で無所属だった。

ミロシュ・パントヴィッチ

バイエルンでのデビュー:2015年10月17日、ブレーメン戦

出場数:1試合

11歳からバイエルンのアカデミーで育成されてきたセルビア人FW。2015-16シーズンのブレーメン戦の後半アディショナルタイム、アルトゥロ・ビダルとの交代で出場することになり、1分間のみピッチに出ていた。

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Bチームでは着実にゴールを量産していたものの、トップチームではこれ以降1度も出番がやって来なかった。2018年にボーフムへと移籍しているが、2部リーグでもまだ存在感を見せられていない。今季は20試合でノーゴール、4アシストという記録だった。

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