13年のハンディキャップは大きい。大前春子のスーパーハケンがこのコロナ禍時代に語るものとは... 〈ハケンの品格 最終回〉(日本テレビ系)

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13年前、ハケンという言葉が新鮮だった頃と、このコロナ禍の中のスーパーハケンでは、見る方の期待感も全く違う。加えて、子供を複数生んで、中年になってしまった篠原涼子が、正社員を引っ掻き回すハケン役では、前作の目覚めるような驚きは得られなかった。
最終回は里中(小泉孝太郎)がコンビニを立ち上げ、様々なアイデアを招待客らに披露するが、総じて不評。中でも、レジ横でアジフライを売るアイデアは、仕事帰りの若い女性や子連れのママには絶対に受けると大前春子(篠原涼子)は主張する。社長の宮部(伊東四朗)らはAIが成功率0.001%と予言したそんな企画はダメと言いながら、AIと春子が囲碁対決で勝てばOKを出すという。
結局、春子は派遣切りに遭った最後の一日を無駄にして、里中の独立の背中を押したことになる。作者が言いたいことは明快に春子に語らせる。AIと人間が違うところは、人間には無駄、後悔、失敗、恋など、効率1本のAIにはないetc.があること。東海林(大泉洋)はそれを心だと解く。春子がドローンをぶっ壊す場面も象徴的だ。
Bizドラマ御用達みたいになってしまった小泉孝太郎と、3枚目の大泉と、配役はよかった。だが、先述したように、命に係わるコロナ禍の時代に、アジの被り物をかぶって正社員だ派遣だと対立する構図は、のんき過ぎてピンとこない。時代は変わるのである。最後に春子が演歌歌手で登場したのも、意味不明である。
(放送2020年8月5日22時~)

(黄蘭)