豪雨の傷痕、天草にも 台風シーズン警戒

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大量の土砂で埋まった旧魚貫小(右奧)付近。水が流れているのは川でなく、道路=7月4日正午ごろ、天草市魚貫町(読者提供)

 熊本県南部を中心に襲った豪雨は、天草市にも住宅や道路などに大きな被害をもたらした。豪雨の傷が癒えないまま台風シーズンが近付いており、市は警戒を強めている。

 熊本地方気象台によると、同市牛深の7月4日午前3時45分までの1時間降水量は98ミリ。芦北町田浦の86・5ミリ(午前6時11分)や球磨村一勝地の83・5ミリ(午前4時51分)などを上回り、県内最多を記録した。

 住宅被害は、牛深地区と河浦地区を中心に市全体で半壊73棟、一部損壊71棟。床上浸水は138棟、床下浸水は266棟に上った。JAあまくさによると、水田約40ヘクタールが冠水し、農地約13ヘクタールに土砂が流入した。

 同市魚貫町の旧魚貫小付近では、52棟が浸水した。「玄関が浸水して外に出られず2階へ上がった。恐ろしかった」と三枝小夜子さん(92)。母屋は床下浸水だったが、納屋兼住居は土砂で高さ1メートルほど埋まった。約2メートルの高さまで水が押し寄せた家屋もあったという。

 国道266号も冠水が多発し、通行車両の水没やのり面の崩落が相次いだ。現在も1カ所で片側交互通行が続き、市道18路線が通行止めになったままだ。

 天草で浸水被害が広がったのは、海と山が近い地形が影響したという。山が崩れて流れ出た土砂や流木が雨水を海に流す水路や小川をふさぎ、あふれた水が住宅地へ流れた。市は、午前6時半ごろが満潮で潮位が高かったことも排水を妨げたとみている。

 中村五木市長は「豪雨では幸い人的被害がなかったが、台風シーズンがやって来る。緊急時には被災していない地域の消防団が駆けつけ、地域コミュニティーで助け合うような仕組みを早急に構築したい」と話している。(谷川剛)