ヒバクシャ国際署名にIPB平和賞 二つの原水禁大会 オンラインやミニ集会で

ヒバクシャ国際署名がショーン・マクブライド平和賞を受賞し礼を述べる同署名連絡会の田中代表

 長崎原爆の日に合わせ毎年長崎市で開催される二つの原水爆禁止大会は9日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小し、原水爆禁止日本協議会(原水協)系の世界大会はオンラインで、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)系はミニ集会で核兵器禁止条約の早期発効を訴えた。
 原水協系大会では、平和団体「国際平和ビューロー」(IPB、ベルリン)が、平和や軍縮などの分野で活躍した個人・団体に贈る2020年ショーン・マクブライド平和賞に「ヒバクシャ国際署名」を選出したことを報告。同署名は「生きているうちに核兵器のない世界実現を」との願いを込めて2016年に始まり、署名は国内外で1184万筆を超えた。同署名連絡会の代表で日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の田中熙巳代表委員は、核兵器禁止条約の批准国・地域が発効に必要な50に迫っているとして、「受賞を励みに力を尽くす」と述べた。
 原水禁系は長崎市の爆心地公園でミニ集会を開き、被爆者で原水禁の川野浩一議長が「日本も核兵器禁止条約に参加すべきだ」と訴えた。
 集会は原水爆禁止県民会議(県原水禁)が主催し、被爆者や高校生ら約150人(主催者発表)が参加。川野議長は、安倍晋三首相が長崎原爆資料館を訪れたことがないとして「(原爆が)いかに悲惨か、その目で見てほしい」と強調した。川野議長と第22代高校生平和大使の内山洸士郎さん(鎮西学院高3年)が原爆落下中心地碑に献花した。

爆心地公園で集会を開く原水爆禁止日本国民会議=長崎市松山町

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