熊本県の宿泊補助、利用は想定の半数以下 豪雨、コロナ響く

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2日に申し込みを締め切った県の宿泊応援キャンペーンのホームページ

 新型コロナウイルス禍で苦しむ観光業を支援しようと熊本県が企画した宿泊応援キャンペーン(7月7日~8月31日)の利用が低迷している。熊本豪雨にコロナ感染の再拡大が重なり、用意した20万泊分(事業費10億円)の「半数に届かないのでは」と県。止まらない感染拡大に事態の好転は見込めず、当初予定の今月2日で申し込みを締め切った。

 キャンペーンは県内のホテルや旅館などの宿泊客を対象に1泊につき1人最大5千円を補助する仕組み。7月6日に予約の受け付けを始めたが、7月豪雨で甚大な被害が出た人吉球磨地域などでは、観光客を受け入れられない状態が続く。

 新型コロナの感染拡大も追い打ちをかけた。県は、まず県民限定で予約を受け付け、20日に九州在住者への“門戸”を広げる予定だったが、福岡県や鹿児島県などで感染者が急増し、見送りを余儀なくされた。

 県によると、対象のホテル・旅館から7月末までに報告があった利用件数は宿泊見込みを含め、5万泊程度。未報告の施設がある上に、コロナ再拡大で8月分はキャンセルが相次いでおり、県国際観光推進室は「今後も数字は変動するが、少なくとも(予算枠の)半分には届かないだろう」と話す。

 県は申し込みの締め切り延長も検討したが、県内でも7月下旬以降、相次いでクラスター(感染者集団)が発生。「とてもキャンペーンを続けられる状況にない」(同室)と判断した。キャンペーンで消化しきれなかった予算について、蒲島郁夫知事は今月5日の定例会見で「状況が落ち着いた後のために、残しておいてほしいという要望もある。一番有効な使い方を考えていく」と強調した。

 一方、新型コロナの影響で、県内の宿泊施設が受けるダメージは深刻だ。県によると、書き入れ時の7~8月の宿泊者数は前年同期と比べて約60~65%減。市町村の応援キャンペーンなどもあり、最も厳しかった5月の約95%減からは持ち直しつつあるが、宿泊代や交通費など3~8月の経済損失額(試算)は724億円超となっている。(内田裕之)