ウイリアムズがレーシングポイントへの裁定に抗議する陣営に加入「規則違反のマシン走行にファンは混乱する」

 ウイリアムズF1チームは、レーシングポイントのブレーキダクトの一件に対するFIAのスチュワードの裁定が寛大だとして抗議を行う陣営に加わった。一方でレーシングポイントは8月7日の裁定についても異議を唱えている。

 フェラーリとマクラーレンは70周年記念GPの金曜日、レーシングポイントがマシンのブレーキダクトの設計に関する技術規則に違反しているとして40万ユーロ(約5000万円)の罰金と、15点のコンストラクターズポイント剥奪を求める裁定に、控訴の意志があることを示した。

 その夕方には、控訴の手続きに入るルノーF1にこれらのチームが合流し、ウイリアムズも後に続いた。

 彼らにとっての問題の核心は、レーシングポイントに科された処罰が“甘すぎる”ことだ。FIAは技術的な違反を認めた一方で、レーシングポイントがメルセデスからコピーしたブレーキダクトのデザインを、2020年シーズンの終わりまで使用することを許可したという事実がある。

「競技と技術(規則)の間の不一致は、実質的に『ある程度ほかのチームをコピーしたものである』ということから事実上違法と見なされたパーツを、レーシングカーに装着するべきではないのにレースに出られるという点にある。私はこれを正しいことではないと思う」とウイリアムズF1チーム副代表のクレア・ウイリアムズは説明した。

「レギュレーションに違反したマシンが、そのパーツをつけたまま走行しているのを見たらファンは混乱するはず。私はこのことが道理にかなっているとはまったく思えない」

 マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、ウイリアムズの意見に賛成だ。

「オーストリアで合法ではないとされたものが、まだマシンに装着されていることにファンは混乱すると思う」とブラウンは金曜日のFIA記者会見で主張した。

2020年F1第5戦70周年記念GP クレア・ウイリアムズ(ウイリアムズ)
2020年F1第5戦70周年記念GP ザク・ブラウン(マクラーレン)

 一方で法的な場面の反対側では、レーシングポイントがFIAの裁定とライバルチームの攻撃から自らを防御しようとしている。

「我々は、ルノーの抗議決定について訴える意志通知書を次のチームから受領している。それはフェラーリ、マクラーレン、レーシングポイント、ルノー、ウイリアムズだ」とFIAのスポークスマンは述べた。

 費用のかかる弁護士をふたたび送り込むタイミングなのだろうか。

2020年F1第5戦70周年記念GP ニコ・ヒュルケンベルグ(レーシングポイント)

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