松坂慶子“完脱ぎ”映画『青春の門』~衝撃の側位合体…夫婦営みの艶めかしさ!

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作品目『青春の門』

東映 1981年 DVD発売中
監督/蔵原惟繕、深作欣二
出演/佐藤浩市、松坂慶子、菅原文太、若山富三郎ほか

最近はすっかり助演者としてのテレビドラマ出演が多いベテラン女優の松坂慶子。この春も『らせんの迷宮~DNA科学捜査~』(テレビ東京系)の助演があったのだが、ご多分に漏れず、コロナ禍で放映延期の憂き目に。今ではすっかり〝お母さん〟キャラが定着しているが、約40年前の艶っぽさといったら最高だった。私も〝松坂慶子偏愛歴半世紀〟を誇る者なので、真っ先に思い浮かんだのが、松竹から初めて東映に〝貸し出された〟この話題作だった。原作は五木寛之のベストセラー小説。

九州北部・筑豊の炭鉱地帯に生まれた信介(佐藤浩市)の父は、一体にその名を轟かせた伝説の炭鉱夫、重蔵(菅原文太)だった。重蔵は新興ヤクザの竜五郎(若山富三郎)と張り合った末、カフェの女給・タエ(松坂慶子)を二度目の妻とする。重蔵が炭鉱の事故で急逝した後、タエは女手一つで息子を必死に育て上げ、そのかいあって信介は父譲りの負けん気の強い少年となってゆく…。

まるで夫婦の寝室を覗き見た気分

冒頭から目を奪われたことを、今でも鮮烈に思い出す。夫婦の営みシーンで、菅原文太に荒々しく挑まれる。「子供が起きるけい」と形だけは拒むが、胸を揉みしだかれたり濃厚な愛撫を受けるうち、次第に感じてくる慶子。ほの暗い中、刺青の文太の裸身と白磁の肌の慶子のコントラストが眩しい。〝側位ファック〟によるその営みは実に艶めかしく、まるで夫婦の寝室を覗き見た気分にさせられたものだ。このタエの役は東宝版『青春の門』(75年)では吉永小百合が演じのだが、吉永は清純派だけに、もちろんこういう大胆なヌード、濡れ場は望むべくもなかった。

当時ウワサされていた深作欣二監督との仲も、この作品がなれ初めか。ただし監督の証言によると「僕は(「青春の門」では)松坂くんはあまり撮っておらず、もっぱら暴力シーン担当(笑)。ラブシーンは蔵さん(蔵原監督)に任せていたので、チクショーと思ったんだろうね。その次に松坂くんと組んだ『道頓堀川』(82年)で思い切り(濡れ場を)撮った」のだそうだ。深作・慶子の名コンビぶりは、以後『蒲田行進曲』(82年)、『人生劇場』(83年)、『上海バンスキング』(84年)、『火宅の人』(86年)などしばらく続き、監督と女優の〝共同作業〟という華やかな話題を振りまいた。

深作監督はとっくに鬼籍に入られたが、松坂慶子は今も大健在。テレビドラマの助演だけじゃ物足りない。もうひと花咲かせてほしい。

(映画評論家・秋本鉄次)