F1第5戦70周年記念GP決勝トップ10ドライバーコメント(2)

 2020年F1第5戦70周年記念GPの決勝レースで5位~優勝のドライバーたちが日曜日を振り返った。5位~優勝のドライバーは、アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だ。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
アレクサンダー・アルボン 決勝=5位

2020年F1第5戦70周年記念GP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

 今日のレースには満足だ。マシンが信じられないほどよかった。レース序盤はDRSトレインになっていて、オーバーテイクするのが難しかったが、渋滞を抜けた後は、ポジションをうまく上げていくチャンスができた。

 今日のマシンバランスとレースペースがとてもよかったことに驚いた。そうなった理由について理解する必要がある。このマシンが大きなポテンシャルを秘めているということが明らかになった。そのポテンシャルを引き出すのが難しい時もあるけれど、今日のコンディションでは好調だった。理由を調べてみるよ。

 5位はいい結果だ。来週のレースではさらにパフォーマンスを上げることができるといいね。

■スクーデリア・フェラーリ
シャルル・ルクレール 決勝=4位

2020年F1第5戦70周年記念GP シャルル・ルクレール(フェラーリ)

 今朝の時点で、グリッドと同じ8番手でフィニッシュできるよと言われていたら、それでも受け入れていただろう。だから、今日のこの結果は勝利のように感じる。4位でフィニッシュした時に言いたい言葉ではないけどね。

 戦略について、チームは1ストップというアプローチに懸念を持っていた。先週、いくつかタイヤの事故が起きたからね。でもドライバーは、クルマに乗っている時にデータに表れないことを感じることが時々ある。だから僕は1回ストップで行こうと主張した。うまくやれると確信していたんだ。挑戦して成功したので、とてもうれしい。

 去年、僕の弱点はタイヤのマネジメントだと分かったので、その部分を改善するためにすごく努力した。だからこそ、コース上でその成果が表れたことに、とても満足している。

 今日のデータを分析して、自分たちがどこでペースを見つけたのかを知りたい。これはうれしい驚きだった。今は厳しい時期だけど、訪れるチャンスは必ずつかまなければならない。今日はそれができたから、この結果がすごくうれしいんだ。

■メルセデス-AMG・ペトロナスF1チーム
バルテリ・ボッタス 決勝=3位

2020年F1第5戦70周年記念GP 決勝後のバルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトン(メルセデス)

 フラストレーションがたまるレースだった。ポールからスタートしながら3位フィニッシュというのはいい結果ではない。マックスの後ろに落ちた後はずっと劣勢になった。ルイスのように、セカンドスティントをもう少し長くとって、終盤新しめのタイヤでプッシュすることもできたのではないかと思う。

 マックスについていこうとしたが、最終スティントでプッシュし始めると、タイヤがすぐにだめになった。ブリスターができるとグリップもパフォーマンスも低下して、とても苦しい状態になる。

 レッドブルなど、他のチームには同じ問題が出なかったようだから、調査して原因を探る必要がある。

 今日は学ぶことがたくさんあった。でもいつもどおり前に進み、次はもっと強くなって戻ってこよう。

(レース後の会見で語り)マックスに前に出られてしまうなんて、僕らは居眠りでもしていたんじゃないかと思うよ。僕の戦略は理想とは程遠かった。セカンドスティントをもっと長く走るべきだったと思う。最終スティントが長すぎて、ルイスにポジションを奪われてしまった。

ルイス・ハミルトン 決勝=2位

2020年F1第5戦70周年記念GP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 とても難しいレースだった。マックス(・フェルスタッペン)の勝ち方は見事だったね。僕らはタイヤの問題に苦しんでいたけれど、レッドブルにはそれがなかったようだ。

 なんとか2位を獲得し、大量にポイントを稼げたことに感謝の気持ちでいっぱいだ。これほどのブリスターに苦しめられるとは予想していなかった。ファーストスティントで苦労したので、セカンドスティントでは信じられないほど気をつかってタイヤの管理をした。タイヤを労わるためにやれることすべてをやったが、ブリスターの面で何も変わらなかった。

 終盤は必死にプッシュして、シャルルとバルテリをオーバーテイクした。最後の方は、まるでタイヤが半分になった状態でレースをしていたよ。僕らのようにブリスターに苦しんだ人が他にいるのかどうか分からないけど、とにかく今日起きたことについて調査する必要がある。僕らのチームならうまく問題を解決してくれるはずだ。

(レース後の会見で、メルセデスがひどいブリスターに苦しんだ原因について聞かれ)今の時点では分からない。こんなことは初めてだから、チームが全力で対応してくれるだろう。

 ピレリは先週末のトラブルの後、内圧を上げることにした。そのため今やタイヤがバルーンのようになっている。この手のサーキットでここまで高い内圧にされたのは初めてだと思う。それが影響したのだとしても、驚かないけどね。これは僕の想像にすぎないけど。

 終盤、ミラーを見たら、タイヤの半分がすり減ってしまっていて、破裂するんじゃないかと心配でたまらなかった。

■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=優勝

2020年F1第5戦70周年記念GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が今季初優勝

 今日は素晴らしい日だ。チーム全体がすべてをうまくやることができたので、この結果に満足している。予選の時点で、ハードタイヤで決勝をスタートすることを決めたが、それが正しい戦略だということがはっきりした。

 ファーストスティントの長さと、その間のペースが、戦うためのカギになったと思う。ミディアムタイヤは長持ちしなかったから、ハードタイヤでスタートするというのは正しい判断だったんだ。でも、僕らのマシンは、特に決勝ではソフト寄りのタイヤでとてもうまく機能する。タイヤにとても優しいんだ。

 メルセデスをオーバーテイクし、引き離していくことができたことに本当に満足している。今シーズンのうちにこういうことが何度も起きればいいなと思う。メルセデスは今まで圧倒的な強さを誇ってきたが、引き続き彼らに挑戦し続けていく。僕らのチームスピリットは素晴らしい。決して諦めず、リスクを冒すところが大好きだ。皆がこの勝利にふさわしい働きをしたのだから、今日はこの喜びを味わって、それから来週のバルセロナ戦に気持ちを集中させていこう。

2020年F1第5戦70周年記念GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

(レース後の会見で語り)勝てるとは予想していなかった。でもファーストスティントを終えた後、僕らはタイヤをうまく使えているということが分かった。もちろん、メルセデス勢がハードタイヤに履き替えた時にどうなるのかは分からなかったんだけどね。
 今日のペースはとてもよかった。タイヤにはほとんど悩まされなかった。ひたすらプッシュしたよ。ここで勝てるなんて、信じられない結果だ。最高の一日になった。すべてがうまくいった。戦略は正しかったし、すべてスムーズに進んだ。もちろん、勝つことができて最高にうれしい。

(タイヤを労わるようにチームから言われた時に、「これがメルセデスに近づく唯一のチャンスだ。おばあちゃんみたいにのんびり運転するつもりはない」と言ったことについて)今まで僕らには、彼らをプッシュするチャンスがなかった。でも今日はそれができると思った。だからプレッシャーをかけた。それによって彼らはピットに入らなければならなくなったので、その後は自分のペースで走り、アドバンテージを築いた。

 彼らのタイヤは完全に終わっていた。僕はただ後ろをおとなしく走るようなことはしたくなかった。今年のレースでは毎戦そうしてきたんだ。だから、プレッシャーをかけるチャンスがある時には、行動したかった。マシンが好調な時に後ろをおとなしく走っていたくはない。攻めることでタイヤをだめにして、自滅することもあるけれど、今日はそうはならなかった。

(タイヤに苦しまないとは)予想していなかった。まずはいいスタートを切って、3番手に上がれたのがよかったね。序盤の数周は、前についていくのがもっと難しいかと思ったんだけど、メルセデスの2台はタイヤに苦しんでいることが分かった。ソフト寄りのタイヤだから当然のことだ。それでギャップを縮め、彼らがピットインした後、僕は自分のペースで走った。全く苦労しなかったし、ファーストスティントを長く走ることができた。それがカギになったと思う。ピットストップはそれほどよくなくて、バルテリの後ろになってしまったが、その時は僕の方がソフト寄りのタイヤを履いていてグリップがあったから、オーバーテイクすることができた。

 今日のタイヤではマシンの感触がよくて、タイヤには全然苦労しなかった。それが勝利のカギだと思う。

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