水産業の繁盛願い「納め包丁講」 大山阿夫利神社

刃物を奉納し、商売繁盛を祈願する水産関係者=伊勢原市大山の大山阿夫利神社社務局

 神奈川県伊勢原市・大山に木製の太刀を納める伝統行事「納め太刀」に倣い、水産関係者が仕事で使った刃物を奉納する「納め包丁講」が10日、同市大山の大山阿夫利神社社務局で行われた。小田原、伊勢原、秦野などの鮮魚店や仲買人などで構成する「小田原魚市場買受人組合」の11人が参加した。

 そろいの白装束姿の一行は、タチウオを供えた祭壇を前に祈願祭に臨んだ。並べられた約100本の包丁を前に、神職が商売繁盛と疫病退散を祈願した。

 組合は2017年から、同神社へ包丁を送る形で祈願祭を行ってきた。一方、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で関連行事が中止になったことから、今回は組合員が足を運ぶ形で実施したという。

 組合長で鮮魚商「魚國商店」(小田原市)社長の古川孝昭さん(67)は「魚をおろすのに必要な包丁に『ご苦労さま』と感謝の気持ちを込めたい。(実際に足を運ぶ形式を)できれば毎年続けていきたい」と話していた。

 伊勢原市によると、大山は大漁の神として漁業関係者から信仰を集めた。刃物は市内の業者がリサイクルする。

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