『ディヴァイン・フューリー/使者』「梨泰院クラス」の人気俳優がゴーストと拳で対決する痛快作

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 クリスチャンの多い韓国ならではのお話で、若き格闘家とベテラン神父が悪に立ち向かう姿を描いたストーリーは、まさにメイド・イン・韓国版『エクソシスト』です。

 神父役を演じるのは、「光州5.18」のアン・ソンギ。若き格闘家の主人公・ヨンフを演じるのは、今Netflixで話題を集めている「梨泰院クラス」のイガグリ頭が特徴的な主人公役で人気急上昇中のパク・ソジュン。彼は、アカデミー賞作品賞を受賞したポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』で物語の始まりのきっかけとなる“家庭教師”を一家の長男に譲る友人役で登場していますが、同作の長男役を演じたチェ・ウシクも、本作には悪魔祓いの見習い役で出演しているので、映画を観ていると「あ!」となる方も多いはず。

 幼い頃に父を事故で亡くしたことがきっかけで、神様を信じなくなってしまった格闘家という設定通り、パクの鍛え上げられた筋肉モリモリな肉体もセクシー! 悪魔に憑かれた人間を完全なる力技でボッコボコにしてしまうのは、これまで必死に祈りを捧げるしかなかった「エクソシスト」ものとは一線を画していて痛快です。天井から襲いかかる悪魔に憑かれた人間に襲い掛かられて、投げ倒してしまうなんて今までの神父さんにはできなかったことですから! 肉体派で戦いまくる彼と、対極の従来通りの悪魔祓いをする、ベテラン神父との凸凹コンビぶりがこの映画の一番の魅力。

 韓国映画らしく、亡くなった父や信仰への思いを象徴するような存在である神父との絆が深まっていく様子がきちんと描かれ、グッとくるシーンもちゃんとおさえられてヒューマンドラマとなっているのもさすがでした。夏の暑さを吹き飛ばすにはもってこいの爽快作です。★★★★★(森田真帆)

8月14日(金)から全国順次公開

監督・脚本:キム・ジュファン

出演:パク・ソジュン、アン・ソンギ、チェ・ウシク

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