3年生に「集大成の場を」 高校野球三重県大会 関係者の力集結し実現

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【県高校野球夏季大会決勝会場に貼り出されたメッセージ=9日、松阪球場で】

 新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった第102回全国高校野球選手権大会、同三重大会の代替として、県高校野球連盟が四日市市霞ケ浦、県営松阪、ダイムスタジアム伊勢の3会場で開いてきた「2020年県高校野球夏季大会」は9日、決勝があり、いなべ総合学園が四日市工を5―4の九回サヨナラで下して優勝を決め、全日程を終えた。その裏には高校3年生に集大成の場をつくろうと奔走した関係者の努力があった。

 全国高校野球選手権と同三重大会の中止が発表された5月20日には独自の大会の開催を検討していることを県高野連が発表した。素早い反応には、特に落胆の大きい3年生に代替大会があることを一日も早く示したいとの思いがあった。同26日には独自大会の開催を決議。6月9日にはマスコミ向けに大会概要に関する記者会見を行った。

 同連盟以外の団体の支えも。検討を始めた当初は3回戦時点での打ち切りの可能性もあったが、先に球場を確保していた県内社会人野球、大学野球の各団体が権利を譲り、最終的に3日間の予備日を含めた13日間分の球場を確保して決勝まで行うめどが立った。

 もと高校球児らで構成する県高校野球OB連盟からは会場の感染症対策に欠かせない非接触型体温計、消毒液などの寄付があった。優勝盾や準優勝盾の寄贈もあり、今月9日の閉会式で県高野連の岩出卓会長からいなべ総合、四日市工の両校に贈られた。

 開幕後も長引く梅雨の影響で球場によっては予定していた試合ができない日もあったが、試合日と会場を変えるなどして調整し、大幅な日程の遅延は回避した。3回戦7試合を2球場で行った今月1日には伊勢球場で4試合を実施。時間節約のため、試合と試合の間のスタンドの消毒は控え部員や保護者らも協力した。

 コロナ禍は新チームにも影響を及ぼし始めている。来年春の選抜高校野球大会につながる秋の県大会は今月10日から地区予選が始まっているが、今年春の休校の影響で各校夏休みの期間がまちまちのため例年と違う変則的な組み合わせになっているという。

 一度は落ち着いた感染状況も再び拡大の兆しがあり、気は抜けない。高校のグラウンドなども会場となる地区予選は原則無観客試合とする予定だ。高校生に晴れの舞台を用意するため、関係者が頭を悩ませる日々は続く。