猛暑の箱根でママチャリ押す男 実は熊本で盗み、千キロ以上…「都会が見たかった」

 熊本県内で盗んだ「ママチャリ」に乗って、2カ月以上かけて1千キロ以上を走ってきたとみられる男が神奈川県箱根町で捕まった。男は「離島の出身で、都会に行ったことがなかったので見てみたかった」などと供述、東京を目指していたという。

 窃盗容疑で、小田原署に10日に逮捕されたのは、いずれも自称で鹿児島県出身、住所不定、無職の男(53)。逮捕容疑は、5月24日、熊本県玉名市の農業実習生の男性(25)方の車庫で、自転車1台(時価約1万円)を盗んだ、としている。

 署によると、8月10日に署員が箱根町内で自転車を押して坂を上る同容疑者を見掛けた際、35度を超える猛暑日の晴天にもかかわらず大きな傘を自転車に引っかけていたことなどを不審に思って職務質問し、発覚したという。

 熊本から箱根までは、関門トンネルを通るルートを使った場合、約1065キロ。同容疑者は鹿児島県を出発した当初は徒歩で移動していたというが、「足がなければ大変だ」と考えて熊本で自転車を盗んだと話しているという。

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