鈴鹿央士☆「MIU404」のキーパーソンを熱演!

話題のドラマ「MIU404」(TBS系)の第3話に登場し、今後の物語の鍵を握る元陸上部の高校生・成川岳役を演じる鈴鹿央士が登場。かねてからファンだったという菅田将暉との現場でのエピソードをはじめ、デビュー作となった映画「蜜蜂と遠雷」(2019年)で受賞した新人賞の裏話や現在の自身の演技についてなど、赤裸々に語ってくれた。

――まず、鈴鹿さんが思う「MIU404」の魅力を教えてください。

「スピード感がすごいですよね! ずっと見ていて面白いし、飽きないし、映像の迫力もすごいし、カーアクションも銃撃戦も力が入っているな、と。それから、脚本の伏線です! 分かりやすくもなく、分かりづらくもなく、ほどよいところで“あ、そういうことか!”“つながったぜ!”ってなるんですよね。キャストの方々もスタッフの方々も、すごい人たちがギュッと集結して、すごいものを作っているなって感じます。構成から緻密に作られていて、それを撮る時に一人一人本気で向き合っているのが作品の魅力につながっているんじゃないかなと思います」

――ドラマのキーパーソンになっている成川岳という役を演じてみてどうでしたか?

「すごくやりたかったけど、難しいなと思っていて、“オーディションでどうやればいいんだろう?”って悩みました。僕は陸上をやったことがないし、好きな何かに対して『今日からもうできません』って言われたこともないので。学校生活で部活に力を入れている人って、生活の大半が部活じゃないですか。“それを『もうできない』って言われたらどうなるだろう?”“自分にとっては何だろうな?”と考えて、自分の人生の中で欠けたらイヤだなと思うことを探しまくりました。僕の人生、仕事とゲームがあれば、その中に友達や人との関係も入ってくるので、その二つがなくなったらどう生きていくか、どういう感情なんだろうなって考えたり。“自分はこれがなくなったら変になっちゃうんだろうな”っていうものを、こうかな? こうかな? ってちょっとずつ合わせていった感じですね。でも成川って、子どもにジュースを買ってあげるし、ちゃんと謝れるし、意外といい人なんですよ(笑)。だから、そんなに憎まれないところで演じていけたらいいなって思います」

――今回、謎の男を演じる菅田将暉さんとガッツリ絡んでいますね。

「いや~、緊張したなぁ。だってあの菅田将暉さんですからね!! 共演が分かるまでは“よし、頑張るぞ!”って感じだったんですけど、菅田さんと絡むことが分かってからは、“あ、これはヤバいぞ!”って、力が入りました。僕、すごく菅田さんが好きで、音楽も聞いていたので。家に帰ってすぐに菅田さんの曲を聞きましたね、“スゴイなぁ”って思いながら。印象に残っているのは、3話の最後の方で成川と謎の男が一緒に叫ぶシーンです。段取りかテストの時に叫び過ぎて喉が痛くなっちゃって、菅田さんからのど飴をいただいたんです。それを舐めて、『大丈夫?』『あ、大丈夫です』みたいな話をして、菅田さん優しいなと思いました」

――他にも何かお話したんですか?

「『自粛中、何をしていましたか?』とか。僕はほんとに何もできなかったので、『友達とゲームをしたり、家で映画を見たりするくらいしかしてないですね』って言ったら、菅田さんは『音楽とかラジオとか、オンラインでできるものはやったかなぁ』みたいなことをおっしゃられて。“スゴイ! 俺、映画とかテレビで見て、音楽を聞いていた人と今しゃべってるんだ!”と思いましたね。まだそういう感覚が抜けないんです(笑)」

――昨年の俳優デビューから、ご自身で演技を比べるとどうですか?

「最近、変に演じちゃうことがあって、最初にやっていた演技が一番自然だったんだろうなって思います。何も知らなかったから、何も考えずに、ただ現場で相手とやりとりをしていたので。今思うと、あの時は良かったなぁと思います。なんか、無駄なものも吸収しちゃったんでしょうね(苦笑)」

――「変に演じちゃう」というのは?

「なんか、ちょっと補おうとしちゃうんですよ。“これってどんなシーンかな”というのを表情で補おうとするので、無駄というか、必要以上になっちゃうんです。『ここで悲しい顔をして』と言われても、心が悲しかったら真顔でも悲しく見えるじゃないですか。でも、顔を先に動かそうとしちゃうんですよ。だから今、たぶん中途半端なんですよね。早くそこを抜け出したい! 役柄の感情や性格が優先で、そこを分からないといけないんですけど、読み解く力がまだそんなにないから、補おうとしちゃうんです。そこは早く読み取ったり、感情を作る力を伸ばさないといけないなっていう課題があります。しんどいけど、現場は楽しいので全然苦じゃないです。頑張らないと!」

――広瀬すずさんが映画のロケ先で鈴鹿さんを見つけたことがきっかけで芸能界入りを果たし、そこからデビュー作の映画「蜜蜂と遠雷」をはじめとした出演作で、数々の映画賞を受賞しましたね。広瀬さんから何か声掛けはありましたか?

「去年の年末に事務所の忘年会があって、そこで(広瀬)すずさんと少しお話をしたんです。『報知映画賞があるんですけど、スピーチはどうしたらいいですか?』って聞いたら、『何も考えずに行ったらいいよ』って言われて、何も考えずに行ったんですけど、意味がよく分からないままだったんです。その後、今年の1~2月にドラマを一つ撮っていて、キネマ旬報ベスト・テンの授賞式のタイミングだったので、そこで出会った人に『スピーチってどうやりますか?』って聞いたら、すずさんと同じことを言われたんです。その時は『何でですか?』って聞けて、そしたらその人は『その場に立って緊張してたら“緊張してます”って言えばいいし、楽しかったら“楽しいです”って言えばいい。その場に立って、そこにいる人たちをパッと見て、出てきた言葉をそのまま言っていいんだよ。それが新人の役目だから』って答えてくれたんです。そこで“あ、すずさんが言っていたのはそういう意味だったんだ!”って分かりました」

――なるほど。その場に立って、思ったことを素直に話すのが一番いいってことですね。

「卒業式の時に『お父さん、お母さん』『ありがとうございました』みたいな、一人一人順番に声に出すやつがあるじゃないですか。僕、元々、あれが苦手過ぎてやらなかったし、クラスの発表とかもイヤだったんですよ。言葉を考え過ぎると“ザ・スピーチ”って感じになっちゃうから、それだったら自由にしゃべる方が合ってるなと思っていたんです。その忘年会の時がちょうど賞レースの始まりのタイミングだったので、すずさんにアドバイスをいただいたのは本当によかったです!」

――以前の取材で「現場が好き」とおっしゃっていましたね。それは今も変わらないですか?

「現場はほんとに大好きです!! 7月に映画を一つクランクアップしたんですけど、その現場もあったかい雰囲気で、めちゃめちゃよくて、終わりたくなかったです(笑)。今のところ全部の現場が好きですね。一つ一つに色があるし、人が違うので、楽しみながら仕事をやれているなと思っています」

【番組情報】

「MIU404」
TBS系
金曜 午後10:00〜10:54

何者かによって桔梗(麻生久美子9の家に仕掛けられていた盗聴器について、新たな事実が判明。さらに。関係先を捜査している過程で、意外な人物の姿を発見し…。

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取材・文/依知川亜希子 撮影/Marco Perboni

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