「タイトル獲得直後に退任」になった悲しき監督たち

サッカーの監督というのは「いつか必ず解任される仕事である」と言われる。しかし、その中でも「タイトルを獲得した直後に退任となる」という珍しいケースも…。

今回は『Sportskeeda』から、「トロフィーを掲げた年にチームを離れることになった指揮官たち」という記事を紹介する。

マウリツィオ・サッリ

解任されたクラブ:ユヴェントス、チェルシー

2019-20シーズン、マウリツィオ・サッリ監督は難しいシーズンに耐えることになった。UEFAチャンピオンズリーグの再開を前に、アリアンツ・スタジアムで煌めくサッカーをやろうという希望を持って戦いに望んだ。しかしながら、リヨンを相手に敗れてしまった。

ユヴェントスの最初の15試合で14勝をあげたものの、このクラブで彼の哲学をインストールするには時間が必要であることは明らかになっていた。豊かな戦力を武器にセリエA9連覇を達成したものの、その2週間後には解任されることに。

彼は昨年もチェルシーでUEFAヨーロッパリーグを優勝した直後に解任されてしまっており、2年で2回のタイトル獲得、2年で2回の解任という珍しい記録を作ってしまっている。

ウナイ・エメリ

解任されたクラブ:PSG

UEFAヨーロッパリーグで3回の優勝を果たし、セビージャに多くのタイトルを導いたウナイ・エメリ監督。2016年、チャンピオンズリーグをなんとしても優勝したいと考えたPSGが彼を招聘した。エメリの経験が欧州での戦いに役立つと。

彼の最初のシーズンは、PSGが久々にリーグタイトルを失うという衝撃的な年に。しかし王者モナコからエムバペを引き抜き、2年目からはリーグアンを連覇。再びPSGに栄冠の日々をもたらしている。

しかしながら、UEFAチャンピオンズリーグではレアル・マドリーを相手にベスト16で敗戦。欧州での目標を達成できず、リーグ優勝ののちに退任となった。

アントニオ・コンテ

解任されたクラブ:チェルシー

このリストで二人目のチェルシー監督。イタリア人のアントニオ・コンテ氏は、イングランド・プレミアリーグの初年度に素晴らしい優勝を果たした。前年度は10位と苦戦していたチームを、一気にトップへと引き上げて見せた。

2シーズン目はやや難しい夏のマーケットを過ごし、リーグでは5位でチャンピオンズリーグ出場権を逃す。ジエゴ・コスタとの確執も表面化し、エデン・アザールも不調に陥ってしまい、不運が連鎖した。

その一方、FAカップでは快進撃を見せて優勝を果たしたものの…シーズン終了後に解任。後にクラブから残りの給与支払いを巡って訴訟を起こされるという事態にも直面することに…。

ルイス・ファン・ハール

解任されたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド

ルイス・ファン・ハール監督は、オランダ代表を率いてワールドカップ準優勝を達成。その見事なサッカーで話題を呼び、その直後に世界最大のクラブであるマンチェスター・ユナイテッドの再建を託された。

最初のシーズンではプレミアリーグで4位。彼が連れてきたメンフィス・デパイもあまりうまくいかず、チャンピオンズリーグでもグループステージで敗退するという難しい年に…。

そして2シーズン目もプレミアリーグでは5位と低迷するも、FAカップでは面目躍如の優勝を果たす。ところがその数時間後、クラブからはファン・ハールの解任が公式発表された。

ビセンテ・デル・ボスケ

解任されたクラブ:レアル・マドリー

今世紀最も奇妙な解任の一つであった。「銀河系軍団」を極めてうまくまとめ上げてきた稀代の「マネージャー」であったビセンテ・デル・ボスケ氏は、4年間でラ・リーガを2回、UEFAチャンピオンズリーグを2回優勝し、他にも3つのタイトルを手にした。

ジネディーヌ・ジダンを除けばレアル・マドリーの半世紀で最も多くの栄冠に輝いた監督であったし、ピッチ上での業績もパフォーマンスも全く疑問はなかった。ところが、リーグ優勝を果たした直後の2003年夏、なぜか彼の契約が更新されず。

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ペレス会長は「デル・ボスケは疲労の兆候を見せていた。彼が将来に向けての正しいコーチではないと信念を持っていた」と話したが、このあと4年間でレアル・マドリーは7名の監督をとっかえひっかえすることになる。

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