浸水、水没繰り返さない 台風被害の等々力緑地で実地訓練

川崎市とどろきアリーナ前に止水板を設置する市職員ら=同市中原区

 川崎市は11日、昨秋の台風19号で浸水被害を受けた市市民ミュージアムや市とどろきアリーナのある等々力緑地(同市中原区)で、浸水対策の実地訓練を初めて行った。

 地下収蔵庫が水没し、多数の収蔵品に被害が出たミュージアムでは、入り口付近に常設された2段重ねの土のうの上に、もう1段積む作業を行った。

 一方、45センチ浸水したアリーナの入り口付近に、高さ53センチの止水板を約80メートルにわたって設置。アリーナより低い位置にある運動広場に水を逃がす手順も確認した。

 市は大雨時、緑地にたまった水を緑地内の釣り池にためることを想定しており、訓練では貯留機能を確保するため、ポンプ車で池の水を抜く作業も行った。

 台風19号を教訓に、市は浸水対策のための資機材を購入。本格的な台風シーズンを前に訓練を企画し、職員約50人が参加した。市は「緑地内施設への浸水を防ぐため、(災害発生時には)訓練の成果を発揮していきたい」としている。

© 株式会社神奈川新聞社