「同じ場所だけど別世界」 元プロ野球選手・佐々木誠監督、再び聖地 初の夢舞台 鹿児島城西の教え子と特別な夏 〈甲子園交流試合〉

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練習中に選手と言葉を交わす鹿児島城西高校の佐々木誠監督=11日、日置市の同校グラウンド

 兵庫県西宮市の甲子園球場で開催中の「2020年甲子園高校野球交流試合」に12日、鹿児島城西高校(日置市)が登場する。同校を初の聖地に導いた佐々木誠監督(54)にとっては、プロ野球の現役時代に活躍した球場への凱旋(がいせん)。「同じ場所だけど別の世界、違う空間に行くような感覚」と初采配を楽しみにしている。

 日本のプロ野球で16年間プレー。南海-ダイエー(当時)、西武、阪神と渡り歩き、ベストナイン6度、首位打者と盗塁王を同時に獲得するなど一時代を築いた。甲子園での思い出に挙げる1992年のオールスター戦では、前の打者2人に続き、史上初の三者連続本塁打。「3番目の自分は焦った」と笑う。

 自身の高校時代、甲子園は届きそうで届かない場所だった。岡山・水島工業高校で1年から4番中堅手として活躍。「チャンスはいっぱいあったけれど、慢心や過信があった」。秋春の県大会では優勝したが、夏は勝てなかった。プロ入り後、初めて甲子園で試合をした際は「同級生たちと土を集めて持ち帰った」と懐かしむ。それほど特別で憧れの場所。「やっぱり高校野球で思い出を作りたい」

 社会人野球の指導者などを経て2018年、鹿児島城西高に請われて監督に就任。「野球を好きで終われる環境作り」を心掛けてきた。「あくまで補助がメイン」という指導法は自主性を生み、わずか2年で選抜大会の切符をつかみ取った。だが新型コロナウイルスの影響で春夏続けて甲子園大会は中止。「3年生に何もさせてやれず、何が正解なのか分からなかった。やりきれない思いで苦悩だらけの日々だった」と振り返る。

 1試合限定という異例の形ながら、甲子園で戦う機会を得た。「鹿城西がどういう野球をするのか、1試合だけでは全てを見せられない。でも選手たちが全てを出し切って楽しめればいい」。自慢の教え子たちと晴れの舞台に挑む。

初めての甲子園へ向け意気込む鹿児島城西の選手たち
試合を翌日に控え、調整する八方(右)と前野=鹿児島城西高校グラウンド