2回までにオリ山本から5点奪った鷹打線 工藤監督が「2番・柳田」に込めた狙いは?

11日のオリックス戦で2本塁打と活躍したソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

1番に周東、2番に柳田を置く新オーダーを組んだ工藤監督

■ソフトバンク 8-7 オリックス(11日・PayPayドーム)

11日に行われた本拠地PayPayドームでのオリックス戦に8-7で逆転勝ちしたソフトバンク。この日のヒーローは柳田悠岐外野手だった。逆転の3ランを放つなど、2本塁打5打点と申し分のない大活躍だった。

柳田はこの日「2番・中堅」でスタメン出場した。2番での起用は6月30日の日本ハム戦以来で今季4試合目だった。過去の3試合は1番に栗原が入ったが、この日の1番は周東。そして、3番に中村晃、4番に栗原と、ここ最近のクリーンナップをそのまま1つずつ打順を繰り上げる形となった。

この新打線がいきなり機能した。初回1死から柳田が右前安打で出塁し、中村晃が先制の2ラン。さらに5番明石の適時二塁打でもう1点追加し、オリックス先発の山本から初回にいきなり3点を奪い取った。2回には2死から周東が右前安打で出塁。足でプレッシャーをかけて二塁への盗塁を決めると、柳田が13号2ラン。2回までに5点を奪い取った。

そして逆転され1点ビハインドとなった6回には、8番の川瀬、9番の松田宣が四球を選んで上位打線に繋ぎ、柳田が逆転の14号3ラン。新たに組んだ1番から5番までの上位打線で全8得点を叩き出した。

待たれるのは松田宣ら下位打線の復調「柳田君を2番に置く意味が大きくなる」

試合後、工藤公康監督は1番周東、2番柳田で始まる新オーダーの意図について問われると「2番最強打者説ですね」と笑い、狙いについて語った。

「周東君の感じがいいので、塁に出ればスチールを警戒した状況で柳田君を迎えないといけない。相手投手の立ち上がりの乱れ、崩れを狙って得点を取るというのは狙いの1つではありました。上手くいってくれましたね」

4試合連続安打中の周東を1番に置き、出塁すれば、足でバッテリーにプレッシャーをかけつつ、柳田を打席に迎える状況になる。不安定な立ち上がりに、どれだけ大きな圧力をかけて、相手の先発投手を揺さぶるかを考えた時に、このオーダーに行き着いた。

ただ、指揮官は「明日はどうしようかな、と」と語り、今後のオーダーについては含みを持たせた。当然、1、2番にある程度の出塁が見込める選手がいれば、柳田を3番に置いた方が大量点に繋がりやすくなる、というのも考え方の1つだ。今後も周りの打者との兼ね合いによって2番か3番かを打つことになるようだ。

また、工藤監督は「7、8、9番が復調して欲しいのはあります。それが出来れば、柳田君を2番に置く意味が大きくなる」とも語り、松田宣をはじめとする不振の下位打線に当たりが出てくるようなった時こそ、この「2番柳田」の威力が発揮すると見込んでいる。不振の下位打線の復調、そして14日にも2軍戦で実戦復帰を果たす見込みのデスパイネ、グラシアルの両助っ人の1軍復帰が、今後のソフトバンクのオーダーの鍵を握りそうだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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