波佐見の窯元を“訪問” 県外学生らオンライン修学旅行 石川県の企業が企画

ビデオ会議システムでつないだ学生たちに波佐見焼について説明する藤川さん(右)=波佐見町折敷瀬郷

 長崎県外の大学生と高校生が9日、ビデオ会議システムを使って、東彼波佐見焼の窯元を“訪問”した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、修学旅行の開催が全国で危ぶまれる中、石川県七尾市のまちづくり会社「御祓川(みそぎがわ)」がこの「オンライン修学旅行」を企画した。
 同社でインターンシップ(就業体験)をする神戸学院大3年の釣部実さん(20)が提案。数年前から波佐見町を複数回訪れ、住民との交流もあったことから“目的地”に選んだ。
 この日は、東京、石川、香川、山口各都県から高校、大学生4人が参加。現地のガイド役は、町議の城後光さんと窯元「藍水(らんすい)」の藤川法男さんが引き受けた。
 ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」で映像を中継。藤川さんが窯元を案内しながら、波佐見焼の歴史や特色、製造工程などを説明し、学生からの質問にも答えた。学生は波佐見焼の土産を考案するワークショップにも挑戦。デザイン案をパソコン画面で共有して、藤川さんがアドバイスした。
 参加した石川県立飯田高2年、濱田倫実さん(16)は「知らない人たちと交流しながら、行ったことのない地域に触れられるのが新鮮で楽しかった。また参加したい」と感想。藤川さんは「オンラインなら全国の若者の感性や才能を発掘できる」と歓迎した。
 御祓川の森山奈美社長は「これまで修学旅行の受け入れがなかった地域と学生をつなぐ可能性を感じている」と手応えを語った。

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