「迅速なPCR期待」 諫早市議会全協 感染抑止で市長

 諫早市での新型コロナウイルス感染者の急増を受け、宮本明雄市長は12日の市議会全員協議会で、県医師会などが整備する地域のかかりつけ医によるPCR検査や県央地区での軽症者療養施設について、「実施、設置に向けて検討中と聞いている。迅速なPCR検査が実施されることを期待している」と述べた。
 市内では9日までに、市職員2人を含む36人が感染。市内の飲食店利用者らのクラスター(集団感染)が確認された。
 宮本市長は30代以下の感染者が7割を超す点を挙げ、「若者から高齢者に感染が広がると、医療が逼迫(ひっぱく)する恐れがあり、これ以上、拡大させないことが大事。若い世代に感染予防策の徹底を呼び掛けたい」と説明。感染者や家族への中傷やデマなどを憂慮し、人権担当部署で相談対応する考えを示した。
 クラスターが発生した飲食店周辺で自主休業する店舗が相次ぐ問題に対し、宮本市長は「県の休業要請協力金制度はあるが、このような場合のシステム構築は難しい」と市独自の追加経済支援に難色を示した。
 議員側は▽市職員の感染リスク対策と業務継続計画▽接客を伴う飲食店への感染予防ガイドラインの周知支援▽感染者が確認された保育施設や学校での対応指針の有無-などをただした。
 この後、市議会新型コロナ対策本部役員会議では、議員の意見と市の考えを踏まえ、感染抑止に向けた今後の対応を検討する方針を決めた。

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