お店をはじめるときに一番重要な“顔” 「立て看板」と「メニュー表」をつくるときに注意すべきポイント

お店のコンセプトやメニューが決ったら、それをお客さんに伝えるための販促物が必要です。最低限必要なものが、「看板」と「メニュー表」です。

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一番重要な「立て看板」

「看板」といっても、シェアキッチンやレンタルカフェではじめるわけですから、お店そのものの看板ではなくって、お店の前によく置いてある立て看板、いわゆる「A看板」(横から見たらアルファベットのAの形に見えるから)のこと。

施設によっては、この立て看板を貸してくれるところもありますが、私たち天使の時間が借りているレンタルカフェスペースでは、ほとんどのカフェオーナーが自前の看板を用意しています。天使の時間も、自前の立て看板を使っています。

お店をやるとき一番重要なものは、この立て看板かもしれないと思っています。なぜならば、お客様が初めてあなたのお店の前を通りかかったとき、「入ってみようか」という気になってもらえるかどうかは、お店の外の立て看板次第だからです。

材質はどんなのがいいか、大きさはどれぐらいあればいいか、掲示するのは写真かイラストか、文章をびっしり書くのかビジュアル中心にいくのか……。立て看板のスタイルは千差万別なので、どうやればいいのか、はじめてお店を開くときにはわからないかもしれません。

なので、私が7年間の営業を通じて試行錯誤してきた看板づくりの方法を話しますね。まず、最初にやることは、町を歩いていろいろなお店の立て看板を見て回ること。そして自分の好みの看板を見つけたら、スマホで写真を撮って、お気に入り立て看板コレクションをつくりましょう。

町の看板①
町の看板②
町の看板③
町の看板④

10個から20個ぐらい集めれば十分です。その中から、これは!というものをセレクトして、そのデザインを真似て自分のお店の看板を作るのです。

デザインを調べるだけあれば、インターネットで「カフェ 看板」といったキーワードで画像検索するのもアリです。でも、自分の足で歩いて、実物の看板を見ることは必ずしてください。その理由は、看板の「大きさ」を実感してほしいからです。

お店の外に置く立て看板って、実はそうとう大きいものなんですね。室内と違って、外にあるものはかなり大きくないと、通りがかりのお客様にアピールできないのです。それを感じてもらうには、実物の看板を見るのが一番です。

「自分のお店に置くならば……」という視点で、いろいろなお店の看板を見て回ると、これまでにはない発見がきっとあります。自分が自分のお店のお客さんになった気持ちで、気持ちがグッと引き寄せられるような看板を見つけましょう。

看板はけっこう見られている

天使の時間では、看板を何度か替えながら現在に至っていますが、これで確定! というものにはなかなか至らず、毎回内容に磨きをかけるようにしています。

天使の時間の看板の変遷。最初のころはブラックボードに手描きで。
その後、黒板を追加。
レタリングを工夫してお洒落カフェ風にしてみたり。
現在はさらに大型の看板にしてプリントしたメニューを差し替える方式に。

メニュー表と価格設定

看板の次に大切な販促物、それはメニュー表です。外の立て看板を見て、お店に入ってきてくださったお客様が、次に見るのがメニュー表。サラリと商品名と価格だけが書いてあるものもありますし、写真やイラストで商品説明しているものもあります。

デザインやスタイルには好みがあると思いますので、これもインターネットの画像検索で「カフェ メニュー表」などのキーワードで探してみるといいでしょう。

カフェメニュー表で検索

私はお店のメニュー表を読むのが好きなので、読み応えのあるメニュー表が楽しいな、と思っています。なので、メニューの一つひとつに、これはどんなものかがわかるような説明を書いています。メニュー表は読み物でもあるのです。

さて、メニュー表をつくったら、そこには商品の価格を書きます。この価格設定も、初めてやるときに悩むもののひとつです。近隣のお店の相場に合わせて決めるとか、原価をもとに決めるとか、いろいろな決め方がありますが、私の経験からアドバイスしたいのは次の2つです。

1つ目は、一度決めた価格は下げるのは簡単だけれど、なかなか上げにくい、ということ。世の中にはパンでもクッキーでも、同じようなものがたくさんあり、値段もさまざまです。自分がつくるパンやクッキーの値段を高いほうに合わせるのか、安いほうに合わせるのか。初めてお店をやる人は、自信もあまりないので、安いほうに合わせがちですが、一度価格を決めると、値上げするには気持ちのハードルが高いものです。値下げはいつでもできるので、少し高いかなぐらいの価格設定でちょうどいいと思います。

天使の時間ドリンクメニュー

2つ目は、その価格で自分が楽しくお店をやれるかどうか、ということ。手作りやオーガニックなどのいい品物を提供するお店にありがちなのが、いいものを安く提供することで社会に貢献しようと考えて、無理をしてしまうことでお店が続かなくなって閉店してしまうことです。

自分の人件費を安く見積もらないことが、楽しく長くお店を続けていく秘訣です。結果的にそのほうがあなたの商品を必要としているお客様にとってもメリットがあることになるのです。

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