#スポーツのチカラ 大分県高校総体 バレーボール女子 3年生が支える大分商業の底力

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 参加校全てが2試合を戦う対抗戦となった県高校総体バレーボール。新型コロナウイルスの影響で3年生にとっては数少ない公式戦の場となった。大分商業の森栄一郎監督は、今大会を「3年生のための大会」と位置づけ、3年生のみの参加にするつもりだった。

 

 しかし、それに反発したのがキャプテンの筌瀬穂花(3年)をはじめとした3年生だった。「みんなが一生懸命になれる強い大商で出場したかった」(筌瀬)。3年生全員で話し合いの場を設け、全学年で構成したベストメンバーでいこうと決めたのは、ライバルの臼杵に負けたくないという思いもあった。

 

 初戦の杵築戦は3年生のみで勝利。その次の臼杵戦は2年生エースを加えたベスト布陣で挑んだが、1セット目は完全に相手の勢いに飲まれた。自分たちのペースをつかめないまま、13-25と大差で落とす。

 

 「私たちのチームはレシーブが要。レシーブをしっかり上げて、フォローすれば、スパイカーが思い切って打てる。大丈夫だからと声をかけた」(筌瀬)。大分商業はレシーブが上がりはじめると強い。レシーブの意識を高めるために互いに声をかけ、鼓舞し、2セット目に臨んだ。効果はてきめんだった。筌瀬の言葉通り、粘り強いレシーブが戻り、エース嵯峨暖菜(2年)らのスパイクもさえた。25-22の接戦を制すと、3セット目も勢いは止まることなく、セットカウント2-1で勝利した。

 

チームの精神的支柱となる筌瀬穂花

 大分商業の3年生は6人(うち1人はマネジャー)。レギュラーとして出場するのはキャプテンの筌瀬のみだが、全員が春の高校バレー県予選に向けてこれからも競技を続ける。森監督が「やさしく、人間性に優れた“仏”のような存在」と評する筌瀬は、「3年生が主体のチームに比べると、まだまとまりに欠ける。積極的に声をかけ、ダメな部分があれば“なぜダメなのか”を全員で考え、信頼関係を築いていきたい」と話し、「春高予選まであと2カ月半。悔いが残らないよう全力で打ち込みたい」と決意を語った。

 

 森監督が「今まで育てた選手の中で3本の指に入る」と絶賛する嵯峨は、「今日は3年生の思いを背負ってプレーした。エースとしての役割を果たせたと思う。ただ、春の高校バレーに向けて、もっとチーム力を高める必要がある」と試合を振り返った。2年生になり、エースとしての自覚が芽生えたという嵯峨。試合中も積極的に声を出し、チームメートを鼓舞する姿が目立った。

 

 3年生が陰日なたなくチームを支え、1、2年生が躍動する大分商業。春高県予選の開催を信じ、一丸となって前へ進む。

 

拾うバレーで春の高校バレー出場を目指す

 

(甲斐理恵)