【大学野球】履正社&東邦の甲子園V戦士も躍動 春の東京六大学で早くもデビューした1年生たち

開幕戦に出場した明大・西川黎(左)と早大・熊田任洋【写真:編集部】

東邦出身の早大・熊田、履正社出身の明大・西川ら期待のルーキーが続々デビュー

延期されていた東京六大学春季リーグは10日に神宮で開幕。1回戦総当たり、8日間の予定で行われる短期決戦(1試合雨天順延により開催は9日間に)は前半戦の4日間を終えたが、すでに神宮デビューを飾った将来が楽しみな1年生たちがいる。

なかでも、開幕スタメンを掴んだ選手は2人だ。

明大・西川黎外野手は、10日の早大戦に「7番・右翼」で先発すると、この試合で155キロを計測して驚かせた早大のエース・早川隆久(4年)から2回に一時同点となるタイムリー。神宮初打席でいきなり初安打初打点と結果を残すと、翌11日の立大戦も2試合連続タイムリー。昨夏の甲子園で6番を打ち、井上広大(現阪神)らと優勝した履正社出身の大器が早速、実力の片鱗を見せた。13日の慶大戦では3番に入り、クリーンアップも託された。

早大も開幕戦の明大戦で熊田任洋内野手がスタメン。それも、守備の要・ショートだ。9番を務めた打者としては5回の第2打席にリーグ戦初安打を記録するなど、堂々たるデビューだった。早大1年春の正遊撃手といえば、鳥谷敬(現ロッテ)も経験。12日の法大戦では悔しいタイムリー失策を喫したが、東邦では石川昂弥(現中日)とともにセンバツVを経験した逸材が、4年間でどれだけ成長を見せるか楽しみだ。

投手では、立大・池田陽佑がインパクトを残した。11日の初戦・明大戦で8回から救援し、リーグ戦初登板。3-3の同点のしびれる場面だったが、味方が勝ち越し、2回無失点で1年生投手として春の開幕戦初登板初勝利の快挙を演じた。智弁和歌山時代は3年春夏とも甲子園に出場し、春は8強、夏は3回戦の星稜戦で奥川恭伸(現ヤクルト)と延長タイブレークで投げ合ったことも記憶に新しい。

熊田と池田は昨夏に侍ジャパン高校日本代表でU-18野球ワールドカップ(W杯)に出場。高校時代から国際舞台を経験した逸材が、早くも神宮の舞台を踏んだ。他にも1年生では明大・上田希由翔(愛産大三河)、堀内祐我(愛工大名電)、斉藤勇人(常総学院)、慶大・廣瀬隆太(慶應)もすでに代打などで出場している。

新型コロナウイルス感染拡大により、練習の自粛期間中に下級生をすべて自宅に帰した学校もあるように、1年生にとっては入学直後からチームに馴染む上で、難しい時間を過ごしたのも事実。そんな中で自粛明けのオープン戦などでしっかりとアピールして、すでに出場機会を得たルーキーたち。全国26連盟で唯一、春季リーグ戦が行っている東京六大学。真夏の神宮の杜にフレッシュな風を吹かせている。(Full-Count編集部)

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