患者の家族“第二の患者”をみどりたちはどう救うのか…『アンサング・シンデレラ』第5話完全版

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萬津総合病院に入院中の「娘娘亭」店主・辰川秀三(迫田孝也)の父・太一(伊武雅刀)の容態が急変。幸い安定したものの、葵みどり(石原さとみ)は辰川家を心配していた。

太一は末期がんだが、秀三は本人に告知をしていない。そのことで、祖父に嘘をついていると悩む秀三の娘・樹里(久保田紗友)は摂食障害になってしまっていた。太一が倒れた後も、秀三と樹里の溝は埋まらず、樹里に助けを求められたみどりは、秀三のもとに話をしに行く。

みどりの説得で、秀三は太一に告知して抗がん剤治療を受けてもらうことにしたと樹里に告げる。太一の妻が抗がん剤で苦しんだ時よりは薬も改善されてきてはいるが、それでも辛いことになるかもしれないと話す秀三に樹里は頷いた。

医師から告知を受け、抗がん剤治療を行わなければ余命3ヶ月と言われた太一は治療の必要はないと思っていると言う。秀三と樹里は反対するが、太一は入院せずに家族と過ごしたいらしい。みどりは抗がん剤治療には休薬期間があるので、自宅で過ごすことも出来ると提案した。

太一は家族との話し合いで治療を決め、樹里は太一と一緒に、これからやりたいことのリストを作る。そんな中、みどりは相原くるみ(西野七瀬)とケモ室(抗がん剤調剤室)へ。くるみはがん薬物療法認定薬剤師の資格を持つ刈谷奈緒子(桜井ユキ)の仕事に興味を示す。

調剤室に戻ると、くるみはみどりと一緒に太一を看たいと販田聡子(真矢ミキ)に申し出た。くるみにはまだ早いと不安視する販田だが、みどりは了承する。

くるみが太一のために抗がん剤使用の症例を勉強していると瀬野章吾(田中圭)が来る。太一を助けるために全力で助けたいとくるみが話すと、瀬野は昔同じようなことを言ったヤツがいたと笑った。

そこに、みどりが来てくるみを「娘娘亭」に誘う。くるみが秀三に話したいこともあるので行くと答えると、瀬野も同行することに。

「娘娘亭」で、みどりは秀三に熱心に太一の状況を説明。居合わせた小野塚綾(成田凌)が、みどりは本当に患者の全部を背負い込まないと気が済まないと言うと、瀬野は「羨ましいのか?」と一言。

すると、くるみが席を立ち、みどりと秀三のもとへ。くるみは自分で調べた論文の治療薬で延命した患者の例を秀三に話し始める。秀三に礼を言われ満足そうなくるみを、みどりは店外へ連れ出した。

みどりは患者や家族に希望を与えるなら、その責任をとらなくてはいけないと厳しくくるみに告げる。しかし、くるみはあきらめたくないだけだと店内へ。くるみと入れ替わりに顔を出した瀬野は、みどりに昔の自分を見ているようだろうと微笑む。瀬野はみどりがくるみを必要以上に叱るのを心配してついて来ていたのだ。

太一の抗がん剤治療は続き、ついに一時退院の許可された。久しぶりに家に帰った太一は、秀三、樹里と幸せな一夜を過ごすのだが…。太一は高熱を出して、萬津総合病院に救急搬送されてしまう。

急に重篤になってしまった太一の姿にくるみは動揺を隠せない。落ち着いた太一は、みどりを呼んで延命治療を止めたいと言う。どう生きるかは自分で決めたいと話す太一は、最後に“とにかく家族と楽しく過ごす”という樹里と考えた目標をやり遂げたいと語った。

太一は畑中聡(長谷川朝晴)に自ら話し、抗がん剤から緩和ケアに重点を置く治療に変わることになった。せっかくここまで頑張ったのにと悔しがるくるみに、みどりは家族への言葉の選び方に気をつけるよう注意。しかし、くるみはなぜ簡単に割り切れるのか?自分は諦めたくないと食い下がり、みどりは自分も諦めてはいないと去っていく。

ケモ室に行ったくるみは、刈谷にみどりが意外に冷たかったと話す。刈谷は冷たく見えたのなら、みどりも成長したのかもしれないと、くるみにとって意外な言葉をこぼした。

休診日に、畑中から外出許可を得た太一は秀三、樹里と一緒に病院裏のグランドへ。秀三は太一のためにチャーハンを作って来ていた。そして、辰川家の前で萬津総合病院薬剤部VS地域薬局の草野球大会が始まる。太一は大好きな野球観戦をしながらチャーハンを食べ、秀三、樹里という家族と楽しい時間を過ごす。

病室に戻ると、太一に秀三は樹里と2人きりになったら、ちゃんと出来るか不安だと打ち明ける。自分も同じだったと話す太一は、人生全部楽しかったと言い、秀三に感謝した。

太一が亡くなった。秀三はみどりとくるみに礼をする。自分は何も出来なかったと詫びるくるみ。秀三が去るとくるみはみどりにも頭を下げた。すると、みどりは、太一のために諦めずにやり続けたくるみが謝ることはないと言う。そして、自分たちは患者のために何が出来るか考え続けるしかないという覚悟を忘れるなと伝えた。

くるみは刈谷のもとへ。すると刈谷は、みどりが一番迷っていたと話す。みどりは治療だけでなく家族との時間も大切に考えていた。その上で、太一の命を救いたいと一番思っていたのもみどりだったと刈谷はくるみに教える。

みどりが調剤室に戻ると瀬野がいた。瀬野は太一に託されたと、みどりへの感謝の言葉が書かれたボールを渡す。すると、みどりは我慢していた感情が溢れ出し、休憩室に籠ると号泣してしまう。

みどりを1人にしようと部屋を出た瀬野は七尾(池田鉄洋)に会う。治験薬の使用を断ったみどりについて嫌味を言い出す七尾。瀬野は個人的な成果や利益のために使いたかっただけだろうと言い返す。

さらに七尾は瀬野の母親について触れて揶揄し、病気を治すのは薬で薬剤師が患者に寄り添っても意味はないと言い放つ。瀬野はみどりの行動には意味があり、無駄ではなかったと擁護した。

涙を流し尽くしたみどりが太一の過ごした病室へ行くと樹里が片付けをしていた。樹里と背中合わせに座ったみどりは、かつて妹を亡くした時に寄り添ってくれた薬剤師、清水佐緒里(田中美里)の話をする。清水のような薬剤師になりたかったが全然なれていないと言うみどりに、樹里はなれていると答えて…。