鷹の“95年世代”が凄すぎる 初先発初勝利の大竹を奮い立たせた「同級生が全員1軍」

今シーズン初勝利を挙げたソフトバンク・大竹耕太郎【写真:藤浦一都】

初勝利の大竹から椎野、板東、モイネロの同級生リレー、決勝打は周東

■ソフトバンク 3-1 オリックス(13日・PayPayドーム)

ソフトバンクの大竹耕太郎投手が13日、本拠地PayPayドームでのオリックス戦に先発し、今季初先発で初勝利を飾った。初回に先頭打者本塁打を浴びたが、失点はこれだけ。6回途中で降板するまで5安打1失点に封じ込み、チームを4連勝に導いた。

キャンプ中に左肘付近の肉離れを負って出遅れた。実戦復帰後は2軍戦で7試合に先発して4勝無敗、防御率1.98と結果を残してきた。2軍戦では好投を続けながらも、1軍の投手陣との兼ね合いもあり、チャンスはなかなか訪れなかった。開幕から約2か月が経ったところで、ようやく掴んだチャンスだった。

2軍生活中に大竹の気持ちを奮い立たせてくれた存在が同期入団、そして同学年の存在だったという。2017年の育成ドラフト4巡目で早大から入団した大竹。この年のドラフトの大卒同期が高橋礼投手(2位)、椎野新投手(4位)、周東佑京内野手(育2巡目)の3人。そして同い年が板東湧梧投手、リバン・モイネロ投手、上林誠知外野手の3人。大竹が2軍で投げる間、この6人は1軍でプレーを続けていた。

「僕以外はみんな1軍にいるんで、2軍にいる時から考えていましたね。僕だけ2軍にいる、早く上がらなきゃ、と。大卒、上林も含めて同級生みんなで頑張りたいという気持ちはどの学年でもあると思う。みんなが頑張っている姿を夜テレビで見ながら、ああすげえなと思いつつ、早く行かないとなと日々思わされました。2軍の練習をやっていると何のためにやっているのかな、と思ってしまう日もあるんですけど、ふと我に返れる要因ではありましたね」。

ただ1人、2軍に取り残された大竹。早く同級生たちに追いつきたい、追いつかなければいけない。1軍の舞台で輝く同級生の存在が、左腕のモチベーションの1つになった。

この日のオリックス戦。大竹のあとを受け、2番手で登板したのが椎野だった。そして板東、モイネロと同い年がバトンを繋ぎ、リードを守った。大竹に白星をプレゼントした決勝打を放ったのが、大卒育成同期の周東。ソフトバンクが誇る“1995年世代”が紡いだ1勝だった。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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