半年ぶりにWEC再開! スパのFP1はノンハイブリッドの2台がトヨタを凌駕

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 WEC世界耐久選手権は8月13日、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで2019/20シーズン第6戦スパ・フランコルシャン6時間レースが開幕。フリープラクティス1回目(FP1)では、レベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソン(ブルーノ・セナ/グスタボ・メネゼス/ノルマン・ナト組)がトップタイムをマークした(リザルトはこちら)。

 2月にアメリカ・テキサス州オースティンで行なわれた第5戦から約半年、待ちに待ったWECの19-20シーズンが再開した。今回のスパ戦は13日の木曜日にFP1、14日金曜日にFP2&3および予選、15日土曜に決勝というスケジュールで行なわれる。新型コロナウイルスの影響により、無観客での開催となった。

 TOYOTA GAZOO Racing勢がこのシーズン初めてロードラッグ(ローダウンフォース)パッケージを持ち込むなど、9月に控えたル・マン24時間レースを占う位置づけのともなる一戦は、既報のとおり石川資章率いるMRレーシングの撤退によりLMP1クラス4台、LMP2が10台、LMGTEプロが6台、LMGTEアマが10台という計30台で争われることとなった。

 このなかでLMP2の37号車、ジャッキー・チェン・DCレーシングのガブリエル・オーブリが新型コロナウイルス陽性の疑いがあるため、自主隔離に入ったことから不参加に。また、前週のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのスパ戦におけるオーブリの参戦チームである25号車アルガルベ・プロ・レーシングのスタッフも自己隔離下に置かれており、25号車もFP1での走行を見送っている。

 さらにABBフォーミュラE選手権ベルリン戦とのバッティングにより8号車トヨタのセバスチャン・ブエミ、LMP2クラスのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ、LMGTEクラスのアレックス・リンが、ジャガーIペースeトロフィー参戦のためLMP2のニック・フォスターが、この日の走行には加わっていない。

 現地時間16時25分から90分間にわたって行なわれたFP1は、気温27度/路温40度というコンディションでスタートした。

 計測開始後すぐにトヨタがトップタイムをマークしたものの、1号車レベリオンのナトが計測3周目に2分02秒469のベストタイムをマークして早くもトヨタを上回り、これがセッションを通じての総合ベストタイムとなった。なおレベリオンは今回、ハイダウンフォース仕様のボディワークで走行している。

 セッション2番手に続いたのはバイコレス・レーシング・チームの4号車ENSO CLM P1/01・ギブソンで、オリバー・ウェッブがレベリオンから約1秒落ちのタイムを記録。ノンハイブリッドLMP1マシンがトップ2を占めた。

 サクセス・ハンデキャップの影響が色濃いTOYOTA GAZOO Racingの2台が7号車、8号車の順で3~4番手に続いた。トヨタはトップのレベリオンから約1.1秒の差をつけられており、空力仕様の差も影響してか、とくにセクター2で劣勢となっている。

FP1で3〜4番手につけたトヨタの2台。ローダウンフォース(ロードラッグ)仕様で走行している。

■山下健太のハイクラス・レーシングが前戦に引き続きタイヤをミシュランに変更

 LMP2クラスではレーシングチーム・ネーデルランドの29号車オレカ07・ギブソン(フリッツ・バン・イアード/ギド・バン・デル・ガルデ/ヨブ・バン・アウタート組)がクラストップタイムをマーク。このタイムはLMP1のトヨタ8号車に100分の6秒差にまで迫るものとなった。

 2番手はイオタの38号車オレカ07、3番手にユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07というオーダーとなっている。

 山下健太が乗り込むハイクラス・レーシングの33号車オレカ07は、事前のエントリーリストではグッドイヤーとなっていた使用タイヤを、前戦オースティンと同様のミシュランへと変更して臨んだ。

 LMPチームはシーズン中に1度、タイヤ銘柄を変更することが許されているため、グッドイヤーでシーズンをスタートした同チームは、今後はミシュランでレースをするものと思われる。

LMP2クラスに参戦する山下も久々のWECのレース復帰となる。

 山下は14周を周回。チームメイトが33号車のベストタイムをマークし、クラス7番手でセッションを終えている。山中信哉がステアリングを握るユーラシア・モータースポーツの35号車リジェJS P217・ギブソンがそのうしろに続いた。

 LMGTEプロクラスでは、マイケル・クリステンセン駆るポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSRをが最速タイムを記録。アストンマーティン・レーシングの97号車バンテージAMR、91号車ポルシェという順で初日の走行を終えている。

 LMGTEアマクラスのクラストップはAFコルセの83号車フェラーリ488 GTE Evo(フランソワ・ペロード/エマニュエル・コラール/ニクラス・ニールセン組)となり、以下アストンマーティン・レーシングの98号車バンテージAMR、チーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSRと続いた。

LMGTEプロのトップタイムはミハエル・クリステンセン/ケビン・エストーレ組ポルシェがマーク
AFコルセの83号車フェラーリがGTEアマクラスの一番時計を記録した。

■大会2日目8月14日スケジュール(日本時間入り)とタイヤ情報

 なお、大会2日目にあたる8月14日(金)のスケジュールは以下のとおり(カッコ内は日本時間)。

・FP2
9:30〜11:00(16:30〜18:00)

・FP3
14:00〜15:00(21:00〜22:00)

・LMGTE予選
18:00〜18:20(25:00〜25:20)

・LMP予選
18:30〜18:50(25:30〜25:50)

 また、全4クラスにタイヤを供給するミシュランのプレスリリースによれば、各クラスのエントラントが今回のスパに持ち込んでいるドライタイヤのスペックは以下のとおりである。

LMP1ハイブリッド:ソフトホットおよびミディアム

LMP1ノンハイブリッド:ソフトホットおよびミディアム

LMP2:ミディアムおよびハード

GTEプロ:ソフトとミディアム

GTEアマ:ソフトおよびミディアム(ポルシェのみ、ミディアムおよびハード)

 ミシュランはまた、リリース内で金曜日と土曜日の天気について、「50%の確率で雨が降り、最高気温は25度を上回ることはない」という予報士の見解を紹介している。

WECの2019-2020シーズンにおけるミシュランのタイヤスペック一覧。LMP1に供給される「HYBRID」は、水量の少ないコンディションで使われる溝のないインターミディエイトタイヤを指す。