1人1年金しかもらえない? 選択と重複を知ろう

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年金の種類って複雑! 覚えておこう2階建ての仕組み

日本は20歳以上60歳未満のすべての人に、年金加入義務があります。「国民皆保険」という制度です。この加入義務がある公的年金には2種類あります。

・国民年金(基礎年金)……日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人
・厚生年金……厚生年金保険の適用を受ける会社に勤務するすべての人が加入

国民年金は、サラリーマンも自営業者やフリーランスの方も共通で加入する基礎年金です。この国民年金を1階とイメージすると、2階部分にあたるのが厚生年金と共済年金です。

以下、国民年金と厚生年金について解説します。なお、共済年金は平成27年に厚生年金に統合されました。

給付の種類って複雑! もらえる給付アラカルト

一口に年金といっても、主に国民年金と厚生年金があることが分かりました。では、それぞれどんな給付があるでしょうか?

【図表1】各年金の支給要件等

※ただし、遺族基礎年金の支給を受けるには、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が加入期間の3分の2以上あることが必要です。
また、遺族基礎年金の対象である「子」は、次の者に限ります。
・18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子
(日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度」参考)

1人1年金の原則~1つとみなされるのか選択か?

複数の年金の支給要件を満たした場合、すべて受けられるでしょうか? 残念ながら、「1人1年金の原則」があるため、どれか1つの年金を選ばなければなりません。

◇年金給付選択の例◇
・障害基礎年金と老齢基礎年金→どちらかを選択
・遺族厚生年金と障害厚生年金→どちらかを選択
・遺族厚生年金と特別支給の老齢厚生年金(65歳まで)→どちらかを選択

ただし、2つの年金であっても、同じ事由で支払われる年金は1つとみなされるので、あわせて受けることができます。
◇1つの年金としてあわせて受けられる年金◇
・遺族年金:遺族基礎年金と遺族厚生年金はあわせて可
・老齢給付:老齢基礎年金と老齢厚生年金はあわせて可
・障害給付:障害基礎年金と障害厚生年金はあわせて可

また、国民年金と厚生年金の併給は、図表2のように調整されています。

【図表2】国民年金と厚生年金の併給

〇併給可
×併給は不可
△65歳以上は併給可

まとめ

年金はさまざまな給付の種類があるので、分かりづらいですね。まずは、どんな給付があるのか、知っておきましょう。複数の年金の支給要件に当たる場合で、どれか1つを選択しなければならないときは、損をしないように、年金額を確認したうえで選択してください。

[出典]
日本年金機構「日本年金機構」
日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度」

執筆者:石井美和