「エレタク」開始 タクシー乗務員が買い物代行 県協会とエレナ提携

エレタク利用の流れ

 長崎県タクシー協会と地場スーパー大手のエレナ(佐世保市)は13日、利用者が注文した商品をタクシー乗務員が購入して届ける買い物代行サービス「エレタク」を17日に開始すると発表した。高齢者や新型コロナウイルス禍で外出を控えている人などの利用を想定している。買い物代行を都道府県の協会がスーパーと提携して取り組むのは全国でも珍しいという。
 サービスは、タクシー事業者が国土交通省地方運輸局に届けることで実施できる救援事業の一環。同協会によると、コロナの影響で業界の収益は平均で前年比6割近くに落ち込んでおり、「ウィズコロナ時代の新しい営業パターン」として準備を進めてきた。
 提携するエレナは受注システムを開発した。生鮮食品、酒、日用品など売れ筋の約1100点に注文番号を付け、カタログを作製。注文を受けたタクシー会社が同システムに注文番号を送信すると、エレナの対象店舗で商品の画像付き注文票が印刷される。乗務員がそれを見ながら買い物をすることで、買い間違いが減らせるという。
 参加するタクシー会社は同協会加盟145事業者のうち、長崎、佐世保、諫早、大村、島原、北松(佐々町)の6営業エリアの計35事業者。エレナは33店舗。カタログは対象店舗やタクシー車内で配布する。
 サービスは▽利用者が最寄りのタクシー会社に依頼▽タクシー会社が乗務員と対象店舗に連絡▽乗務員が買い物をして代金を立て替え▽利用者が商品を受け取り、商品代と代行手数料を支払う-流れ。手数料はメーターに関係なく2キロ以内千円。距離が2キロを超えると1キロごとに500円加算される。
 県庁で会見したエレナの中村剛士営業企画部長は「注文から2時間以内くらいのスピード感で対応できるのではないか」と見通しを示した。同協会の四元永生会長は「地域に役立つサービスとして定着させていきたい」と話した。

 


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