フィリーズがディック・アレンの「15」を永久欠番に

フィリーズはディック・アレンの背番号「15」を永久欠番にすることを発表した。日本時間9月4日に本拠地シチズンズバンク・パークで永久欠番セレモニーが開催される。アレンは「殿堂入りに値する選手」と言われながらもまだアメリカ野球殿堂入りを果たしておらず、フィリーズが殿堂入りしていない選手の背番号を永久欠番にするのは今回が初めてである。

アレンは15年間のメジャー生活のうち9年間をフィリーズでプレー。フィリーズ以外には、ホワイトソックスで3年、カージナルス、アスレチックス、ドジャースで各1年プレーした。通算1848安打、打率.292、351本塁打、1119打点、133盗塁、OPS.912をマークし、本塁打王2度、打点王1度。OPSではリーグ1位を4度記録し、フィリーズ時代の1964年に新人王、ホワイトソックス時代の1972年にはMVPに輝いた。

全盛期の活躍ぶりはメジャートップクラスで、1964~7年の11年間に記録したWAR58.3(Baseball-Reference版)は、ハンク・アーロン(68.8)、カール・ヤストレムスキー(68.1)、ロベルト・クレメンテ(64.7)、ロン・サント(60.1)、ブルックス・ロビンソン(59.3)に次ぐメジャー6位の数字である(ウィリー・メイズとタイ)。

「殿堂入りに値する選手」という声が多く聞かれるアレンだが、全米野球記者協会による投票では殿堂入りできず、2014年のベテランズ委員会による選考でもあと1票で殿堂入りを逃した。フィリーズは永久欠番にするのを殿堂入り選手のみに限定してきたが、ジョン・ミドルトン・オーナーはその方針を変更し、アレンに永久欠番の栄誉を与えることに決めた。

ミドルトンは「彼は永久欠番と殿堂入りをいつも望んでいたと思う。でも、もう諦めてしまっていたかもしれない」と語る。永久欠番の栄誉をまず手にしたアレン。殿堂入りを果たす日もやってくるかもしれない。

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