直木賞の馳星周さん 故郷で作品に込めた思い語る

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夏場は出身地の浦河町に滞在

第163回直木賞を受賞した作家・ 馳星周さんが、出身地である日高の浦河町でテレビ北海道の単独インタビューに応じました。作品に込めた馳さんの思いに迫りました。直木賞に輝いた小説「少年と犬」。東日本大震災で飼い主とはぐれた犬が様々な問題を抱える人たちに出会い、安らぎを与えながら東北から九州までを駆け巡る物語です。
犬を主人公にした理由について馳さんは「今の国の在り方は好きじゃないと思っている。なぜかというと弱い人たちを切り捨てようとする力が非常に強い。その弱い人たちを小説に書きたいけれど、今の日本の人たちはその弱い人たちをあまり救おうとしてくれない。犬ならば人に寄り添ってくれると」。
作品では、忘れてはならない現実を読者に突きつけます。
「どんな話にしようかと考えた時に、東日本大震災で始まって熊本地震で終わる話にしようと頭に浮かんだ」
「これらの災害は、日本人が絶対に忘れてはならない。東日本大震災から来年で10年になりますけど、被災地以外の人たちは忘れつつあるのではないか。忘れてはいけないという思いが私にある」。
馳さんは44年前の11歳まで日高の浦河町で過ごしました。去年から妻や愛犬と夏の2カ月余りを浦河町で過ごしています。お気に入りの場所は、町内の高台です。
「元図書館があった場所を、ボランティアの方が花畑みたいにしてくれている。港を見下ろせるすごく気持ちのいい所で、よく朝は愛犬と一緒に散歩しています」。
直木賞受賞の喜びもつかの間、馳さんは3つの新作の執筆に追われる毎日です。そのうち一つは、出身地を舞台に馬産にかかわる人の小説だということです。来年にも馳さんの新作を手に取ることができそうです。