見知らぬ土地で高校野球マネジャー 健大高崎高野球部の上野さん

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選手のユニホームを丁寧にたたむ上野さん

 16日の甲子園交流試合に臨む群馬県の健大高崎の中に、特別な思いで当日を迎える部員がいる。記録員としてベンチ入りするマネジャーの上野咲希(さき)さん(17)。地元の大阪を離れ、見知らぬ土地で3年間、選手を支え続けた。

 3学年上の兄、健助さんが健大高崎野球部に在籍していた縁で受験した。初めてのマネジャーの仕事に戸惑い、家族と離れた暮らしにも苦労。次第にストレスがたまり、倒れたこともあった。

 それでも続けられたのは、部員として関東大会に携わるなど貴重な経験を積めたから。「試合でハイタッチに交ざって一緒に喜んだり、選手と遠征に行ったり。思い出がたくさんある。周りから『選手を支える存在』と言われるけれど、逆に支えてもらっている」

 出場を決めていた選抜大会は新型コロナウイルス感染症の影響で初の中止。夏の甲子園大会も取りやめとなり、「これだけ頑張ってきたのに、このまま終わってしまうのかと思った」。喪失感が拭えない中で6月に甲子園交流試合、県高校野球大会の開催が相次いで発表された。

 大切に持っている一枚の写真がある。健助さんが出場した2017年の選抜大会を観戦した際、選手が整列した瞬間を撮影したものだ。端には当時の女子マネジャー。「見る度に自分がグラウンドに立つ姿を想像し、励みにしてきた」。夢がかなう16日の試合を心待ちにしている。